ニュベクオの遠隔転移を有する前立腺がんの効能追加など5製品報告へ 2月1日の薬食審・第二部会で
公開日時 2023/01/19 04:49
厚生労働省は2月1日に薬食審・医薬品第二部会を開き、バイエル薬品のニュベクオ錠の「遠隔転移を有する前立腺がん」の効能追加や、アッヴィのリンヴォック錠の「既存治療で効果不十分なX線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎」の効能追加など5製品の一変申請を承認する方針を報告する。
なお、この日の部会では審議予定品目はない。
【報告予定品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
報告品目は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査段階で承認して差し支えないとされ、部会では審議せず、報告のみでよいと判断されたもの。
▽アメナリーフ錠200mg(アメナメビル、マルホ):「再発性の単純疱疹」を対象疾患とする新効能・新用量医薬品。
抗ヘルペスウイルス剤であり、17年7月に「帯状疱疹」の効能・効果で承認されている。今回、「再発性の単純疱疹」の効能・効果で、あらかじめ処方された薬剤を患者が初期症状を自覚した時点で服用するPIT(Patient Initiated Therapy)と呼ばれる治療法で一変申請された。海外では、再発性の単純疱疹の標準的な治療法として位置付けられているという。
▽ニュベクオ錠300mg(ダロルタミド、バイエル薬品):「遠隔転移を有する前立腺がん」を対象疾患とする新効能・新用量医薬品。
経口アンドロゲン受容体阻害剤。20年1月に「遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺がん」の効能・効果で承認されている。今回、「遠隔転移を有する前立腺がん」の効能追加で一変申請された。なお、同じ作用機序のアステラス製薬のイクスタンジ錠は「去勢抵抗性前立腺がん」および「遠隔転移を有する前立腺がん」の効能・効果を、ヤンセンファーマのアーリーダ錠は「遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺がん」および「遠隔転移を有する前立腺がん」の効能・効果を取得している。
▽リンヴォック錠7.5mg、同錠15mg(ウパダシチニブ水和物、アッヴィ):「既存治療で効果不十分なX線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎」を対象疾患とする新効能・新用量医薬品。
JAK阻害剤。承認されると、リンヴォック錠にとって既存治療で効果不十分な▽関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)▽関節症性乾癬▽強直性脊椎炎▽アトピー性皮膚炎▽中等症から重症の潰瘍性大腸炎の寛解導入及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)―に続く6つ目の効能・効果となる。
▽イムブルビカカプセル140mg(イブルチニブ、ヤンセンファーマ):「マントル細胞リンパ腫」を対象疾患とする新効能・新用量医薬品。希少疾病用医薬品。
BTK阻害剤。現在「再発又は難治性のマントル細胞リンパ腫」の効能・効果を持っており、今回、未治療のマントル細胞リンパ腫の効能追加が一変申請された。承認されると、効能・効果の記載は「マントル細胞リンパ腫」となる。
▽①カロナール細粒20%②同細粒50%③同原末④同錠200⑤同錠300⑥同錠500⑦アセトアミノフェン錠200mg「マルイシ」⑧同錠300mg「マルイシ」⑨同錠500mg「マルイシ」(アセトアミノフェン、①~⑥あゆみ製薬、⑦~⑨丸石製薬):「各種疾患及び症状における鎮痛」を対象疾患とする新効能医薬品。事前評価済公知申請。
効能・効果について、個別の疾患名を列挙するのではなく「各種疾患及び症状における鎮痛」とする一変が公知申請された。22年7月の医薬品第二部会で公知申請に係る事前評価が終了済み。