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CureAppとサワイGHD NASH領域の治療用アプリ開発・販売でライセンス契約締結 27年頃の上市計画

公開日時 2022/08/03 04:52
医療系スタートアップのCureAppとサワイグループホールディングス(サワイGHD)は8月2日、CureAppが開発中の非アルコール性脂肪肝炎(NASH)領域の治療用アプリについて、サワイGHDと開発・販売に関するライセンス契約を締結したと発表した。契約に基づき同アプリを共同開発し、承認取得後はサワイGHDが独占的に販売する。同アプリは現在、第3相臨床試験の準備段階にあり、CureAppはこれまでに同アプリを2027年頃に上市する計画を明らかにしている。

CureAppは、禁煙治療や高血圧症治療のための治療用アプリの薬事承認を取得するなど、治療用アプリの開発ノウハウは豊富。今回、サワイGHDをパートナーに選んだ理由について、CureAppは本誌取材に、サワイGHDのデジタルヘルス領域に注力することの熱量とスピード感がCureAppの考え方と一致し、「ともに事業を作っていけると感じたため」と説明した。

今回の契約に基づき、サワイGHDはCureAppに対し、契約一時金及び臨床開発の進展、販売金額などに応じたマイルストーンとして総額最大105億円のほか、アプリ上市後の販売額に応じたロイヤリティを支払う。

NASHは肝硬変や肝がんに進行することが知られており、将来的にNASH を原因とした肝がんの増加が懸念されている。NASHは主に肥満を背景に発症し、国内に200 万人程度、予備軍は推定1000万人程度存在すると考えられている。しかし、現時点で確立された薬物療法がなく、体重減少を目標とした食事療法や運動療法など日常生活の指導が中心となる。ただ、外来受診において適切な指導が行われたとしても、患者自身の努力のみで食事療法や運動療法を継続していくことが難しく、課題となっている。

そこで、現在開発中の治療用アプリを通じて、日常的に個々の患者に最適化された行動療法をアナウンスしたり、患者自身の状態を見える化することで行動療法の効果の最大化を目指す。

両社は、「患者と医療従事者双方の負担を著しく増やすことなく効果を得ることができれば、NASHに対する有望な治療法になると期待される」とし、さらに、「患者の認知と行動の改善を通じた減量による治療が達成されれば、NASHにより生じる肝硬変や肝がんの予防のみでなく、日本の医療費削減への貢献も期待される」としている。

同アプリは、CureAppと東京大学医学部附属病院が共同で16年10月より単施設における臨床研究を開始。18年4月からは多施設共同臨床研究を実施し、認知行動療法に基づいた同アプリによる明確な体重減少ならびに肝線維化の改善効果が認められている。今後、これまでの試験データを基に、第3相臨床試験に進む予定。
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