エーザイ ワーファリンの国内権利を沢井製薬に譲渡 「本剤が引き続きより多くの患者に貢献するため」
公開日時 2025/03/28 04:51
エーザイは3月27日、経口抗凝固薬・ワーファリンの国内の権利を沢井製薬に譲渡する契約を締結したと発表した。ワーファリンの全規格(0.5mg錠、1mg錠、5mg錠、顆粒剤)を譲渡し、エーザイは45億円を受領する。2026年3月末までを移行期間として販売機能の移管を進めるとともに、製造販売承認の承継も行う。
ワーファリンは日本で1962年の発売以来、多くの患者に長く使用されてきた薬剤。エーザイは、「本剤が引き続きより多くの患者様に貢献するために、沢井製薬に譲渡することが最適な選択と判断した」としている。
エーザイPR部は本誌取材に、沢井製薬を譲渡先に選んだ理由について、医療上のニーズが高いワーファリンを多くの患者に継続的に安定供給でき、また多くの問い合わせにエーザイと同程度に対応できると判断したためと説明した。神経領域やがん領域に経営資源を集中していることがワーファリンを手放すことになった理由のひとつなのかについては、「ワーファリンに限らず、戦略的にポートフォリオを見直している」とした。
◎沢井製薬 ワーファリンは「これからも安定供給が必要とされる製品」
沢井製薬はワーファリンについて、「医療上の必要性が非常に高く、長い期間多くの血栓塞栓症の患者さんの治療及び予防に使用され、これからも安定供給が必要とされる製品」だとコメント。今回承継することにした理由のひとつに、主要領域の一つの循環器領域の製品ラインナップの拡充を挙げ、「当社ジェネリック医薬品とのシナジー効果も期待できる」とのねらいも示している。