第一三共 ウルトラジェニクス社からの遺伝子治療薬製造技術の導入
公開日時 2020/04/02 07:00
第一三共は4月1日、米国のバイオ医薬品企業・ウルトラジェニクス社(所在地:米国カリフォルニア州)が保有する、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを用いた遺伝子治療薬製造技術を非独占的に利用する契約を締結したと発表した。第一三共は、ウルトラジェニクス社からの技術移転を完了させ、製造能力を拡大することで、2020年代半ばまでに、AAV遺伝子治療の治験薬製造を開始する予定だとしている。
技術導入の対価として第一三共は、ウルトラジェニクス社に対し、契約締結時に約130億円(1億2,500万米ドル)、技術移転成功時に約27億円(2,500万米ドル)、さらに同技術で製造した製品の販売ロイヤリティを支払う。また、約80億円(7,500万米ドル)の出資を行う。
契約について第一三共は、「将来的に同治療薬を患者の元に届けるには、自社で製造技術を早期に確立する必要がある。ウルトラジェニクス社は、独自にHeLa細胞およびHEK293細胞を用いたAAV生産系を開発し、安定した品質、生産効率の高さ、大量生産に対応可能という点で特に優れていることから、今回の提携に至った」と説明している。
同社によるとAAVベクターは、様々な組織に遺伝子を導入することができるうえ、製造基盤も整備しやすく、安全性も高い。このため同社でも、AAVベクターを用いた遺伝子治療薬の探索研究を行なっていた。