第一三共 奥澤宏幸代表取締役社長兼COOがCEOに昇格 4月1日付 第6期中計策定のタイミングで
公開日時 2025/01/31 16:31
第一三共は1月31日の取締役会で、奥澤宏幸代表取締役社長兼COO社長執行役員が最高経営責任者(CEO)に昇格するトップ人事を決議した。就任予定日は2025年4月1日付。奥澤社長兼COOは同日オンラインで開催した24年度第3四半期決算説明会で挨拶し、「4月より第一三共のCEOという重責を担うことになり、身の引き締まる思い」と強調。「真鍋会長兼CEOが体現してきたサイエンス ベースド ディシジョンメイキングと、患者さんとそのご家族に対する揺るぎない責任感を引き継ぎ、短期、中期の業績向上と、長期、超長期の持続的成長の実現にコミットしたい」とCEO就任への強い意欲を示した。
最高経営責任者(CEO)の異動について同社は、「第5期中期経営計画の最終年度を迎え、第6期中計の策定に向けた検討が本格化する本年4月が適切なタイミングと判断した」と説明。同日開催の取締役会で、指名委員会による答申に基づき、最高経営責任者(CEO)の異動を決議した。眞鍋淳代表取締役会長兼CEO会長執行役員は引き続き代表取締役会長職を継続する。また、COOの後任は当面置かない方針。
◎奥澤社長COO「強みのサイエンス&テクノロジーを一層強化し、さらに飛躍」
奥澤宏幸代表取締役社長兼COOは24年度第3四半期決算説明会で、「当社のパーパスである世界中の人々の健康で豊かな生活に貢献するために、私達の強みであるサイエンス&テクノロジーを一層強化し、当社をさらに飛躍させたい」と強調。続けて、「真鍋会長兼CEOが体現してきたサイエンス ベースド ディシジョン メイキングと、患者さんとそのご家族に対する揺るぎない責任感を引き継ぎ、短期、中期の業績向上と、長期、超長期の持続的成長の実現にコミットしたい」と述べた。
◎第5期中計のKPI達成を確実に 2030年までにがん領域でグローバルトップ10企業に
また今後の課題については、「第5期中計がいよいよ来年最終年度となる。この第5期中計のKPI達成を確実なものにしていきたい。これが最初の最優先の課題だ」と強調。「26年から5か年間の次期中計の議論もスタートしており、こちらをしっかりとリードして、2030年までにがん領域でグローバルのトップ10企業になる目標を確実なものにしていきたい」と意欲を示した。さらに、「併せて2030年以降、持続的成長を見据え、創薬力を一層強化して、CEOとして強力にコミットしたい」とも述べた。
◎眞鍋会長兼CEO「CEOとしてより強力なリーダーシップを発揮し、さらに飛躍を」
一方、眞鍋淳代表取締役会長兼CEOは同社発表のプレスリリースで、「奥澤氏は、社長兼COOとして第5期中計を推進し、前例のないレベルでの当社のグローバルな成長に大きく貢献した。同氏はCFOや海外事業での豊富な経験と優れた実績に加え、当社カルチャー醸成の土台となるCore Behaviors(Be Inclusive & Embrace Diversity、Collaborate & Trust、Develop & Grow)を自ら体現し、浸透を図っている」と強調。「今後はCEOとしてより強力なリーダーシップを発揮し、当社の強みであるサイエンス&テクノロジーで世界中の患者さんに貢献するために当社をさらに飛躍させることを期待している」とコメントした。
4月1日付でCEOに昇格する奥澤氏は、1986年3月に一橋大学社会学部を卒業。同年4月に三共に入社した。その後は、ASCAカンパニー事業企画部長、ASCAカンパニープレジデントを経て、2021年4月に常務執行役員経営企画・管理本部長 CFOに就任。同年6月に取締役 常務執行役員経営企画・管理本部長 CFO、22年4月に取締役 専務執行役員経営企画・管理本部長 CFOを経て、23年4月から代表取締役社長兼COO 社長執行役員を務めている。
◎阿部研究開発本部長兼研究統括部長「前任の我妻氏とADC研究に取り組んだ経験を活かしたい」
昨年12月5日に急逝した我妻利紀常務執行役員研究開発本部長兼研究統括部長の後任として1月1日付で就任した阿部有生氏が同日の説明会で挨拶した。同氏は、「これまで15年間、前任の我妻氏と一緒にADC研究に取り組み、研究におけるリーダーシップとマネジメントを担ってきた。これから研究開発本部長として、仲間たちとともに、当社の強みであるサイエンス&テクノロジーをさらに強化して、患者に貢献できる新薬を創出したい」と強調した。