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協和キリン グループ会社の原薬製造めぐる薬機法違反問題で対応方針を公開

公開日時 2020/02/03 04:50
協和キリンは1月31日、グループ会社の協和発酵バイオがマイトマイシン注用2mgおよび10mgの原薬を承認書と異なる方法で製造したとして薬機法違反に問われた問題で、同社としての再発防止に向けた対応方針を発表した。具体的には、企業グループガバナンスの強化に向け、①経営の最優先事項として強固な品質保証体制の構築、②リスクマネジメントの改善、③企業文化の改革-の3点を重要課題に据えて取り組む方針を示した。

この問題は、協和発酵バイオが製造する抗がん剤・マイトマイシンの原料について、承認書と異なる手順を用いたことや、定められた設備や機器を正しく使用せずに製造していたことが発覚し、同社の防府工場が昨年12月25日から18日間の業務停止・業務改善命令を受けていた。一方、協和キリンは、第三者が主導するグループ調査員会をキリンホールディングスに設置し、調査報告書をこのほどまとめ、再発防止に向けた対応方針を決定した。

◎品質保証体制を支える人材育成に注力

具体的な今後の取り組みについては、更なる品質保証体制の強化を打ち出した。これまでもグローバルで品質保証の人員増強を行ってきたとしながらも、「まだ緒についたばかり。品質保証機能を充実させるための十分なリソースが必要」と指摘した。また、部署全体の能力向上が重要としながら、「部門間を超えた連携力などを備えた監査員育成に向け、最新の監査委員教育プログラムの充実を図り、品質保証体制を支える人材を育成する」との目標を掲げた。

加えて、企業グループガバナンスそのものの強化が重要とし、リスクマネジメントプロセスを見直すとした。具体的には、「潜在化するリスクを的確に現場から吸い上げ、必要な対策や投資を遅滞なく行うことで、重大なインシデントを未然に防ぐ」とし、強固なリスクマネジメント体制を整えるとした。

◎企業文化の改革を推進

コンプライアンスについては、「経営陣を筆頭に全社員が本件を自分の問題として真摯に受け止める」とし、行動の変革を図る方針。同時に、企業文化改革を重要な経営課題に掲げ、社長直轄の最重要施策として外部アドバイザーからの協力を得ながらグルーバルスペシャリティファーマとして今後成長するために必要な意識改革に全社一丸となって取り組む方針を明示した。
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