エムスリー 眼科の疾患課題解決へ アイケア事業のビジョナリーHDと資本提携、JV設立
公開日時 2019/12/16 04:50
エムスリーは12月13日、アイケア事業を展開するビジョナリーホールディングス(HD)と合弁会社(JV)設立に伴う資本業務提携を行うと発表した。ビジョナリーHDはメガネスーパーなどを子会社に持ち、900万人のCRMデータを保有している。エムスリーは、全国400弱の店舗と顧客基盤を持つビジョナリーHDとの合弁会社を通じて、視聴覚の領域における潜在患者・疾患予備軍と医療・ヘルスケアサービスとのタッチポイント創出につながる事業を展開する。
エムスリーは第三者割当を受けてビジョナリーHD株式の33%を約42億円で取得する。また、ビジョナリーHDが新会社を設立し、次世代型のフラッグシップと位置付ける店舗を運営する事業部門を吸収分割で新会社に移管した後、エムスリーが新会社の株式を取得し、合弁会社化する。合弁会社の持分比率は、ビジョナリーHDとエムスリーがともに50%ずつ。第三者割当の払込及び今回の資本業務提携の開始予定日は20年2月18日。
白内障、緑内障、加齢黄斑変性症といった眼の疾患の受診率はおよそ1~2割を下回るとされる。難聴もしくはその可能性がある人でも、受診や補聴器相談といったアクションをとる人は少なく、潜在的に視聴覚の健康やQOLに問題を抱えている人が多く存在すると考えられている。
エムスリーは、AI を用いた診断ツールの開発、ゲノム検査の提供、脳梗塞リハビリ施設のグループ会社化など医薬品マーケティングに留まらないサービスの拡充と、これらを複合的に組み合わせて医療疾患課題自体の解決を目指す「7Pプロジェクト」を推進している。今回、社会的な課題である高齢化に伴う眼科疾患潜在患者の増加についてもテーマのひとつとして取り組む。