東和薬品 AI活用で懐かしい歌から思い出が蘇る「うたメモリー」共同開発 VIE、NTTデータ経営研
公開日時 2024/11/19 04:50
東和薬品は11月18日、ニューロテクノロジー企業・VIE、NTTデータ経営研究所と共同開発した「うたメモリー」のテスト販売を開始したと発表した。うたメモリーは、懐かしい音楽をきっかけに若き日の思い出を呼び覚まし、記憶力をトレーニングするサービス。同日開いた製品発表・体験会で同社の田中俊幸執行役員渉外統括部長は、「社会にいかに希望を与える事業にするかはこれからが本番。独りよがりになることのないよう、ユーザーの声に真摯に耳を傾けながら、製品、サービスをさらに改善させていきたい」と語った。
田中渉外統括部長が、「弊社としては全く未知の領域」と話す脳科学と音楽を活用したサービスの実現は、東和薬品の社員のアイデアをきっかけとした出会いが発端になっているという。
「薬物的なアプローチをしてきたが、非薬物的なアプローチの可能性を我々は感じ、着目したのが、今回の脳科学と音楽の力を活用したうたメモリーにつながる出発点。日常の中で自分や大切な人が気楽に、かつ楽しみながら、音楽と脳科学を駆使したアプローチが何かできないかということを考えたのがきっかけ」と田中渉外統括部長は話す。政府が共生社会の実現を目指していることにも触れ、「国のビジョンに強く賛同しており、うたメモリーが、寄与できる一助になるのではないか」と期待を寄せた。
うたメモリーは、認知症の予防・治療を目的としたものではないことを断ったうえで、「将来的には認知症の方に向けた製品を開発できないかといったところを考えている」ことも明らかにした。
◎“懐かしさ”を読み取り、AIが分析 昔話で盛り上がるオフ会の開催も
うたメモリーは、脳波を測定する専用イヤホンを通じ、“懐かしさ”を読み取り、AIが分析。脳波の特徴点と音楽の特徴点を抽出することで、自動的にパーソナライズされたプレイリストが作成されるというもの。懐かしい歌を耳にして思い出が蘇ることをきっかけに、記憶のトレーニングを行う。プレイリストは、「1960年代」、「1970年代」、「1980年代」などの年代や、「邦楽」、「洋楽」など自身の好みを選択することも可能になっている。製品には、懐かしい音楽を聴いて思い出した記憶を書き出すノート“メモリートラベルブック”が含まれており、定期的な開催を予定するオフ会で、昔話で盛り上がることも視野に入れる。
なお、うたメモリーは、マクアケが運営するクラウドファンディングサービス「MAKUAKE」で同日、テスト販売を開始された。