医師に送るメール本文の情報量 50歳未満の約半数は「シンプル」を希望 ベテラン・年配医ほどリッチに
公開日時 2024/12/17 04:52
メール本文に掲載する1コンテンツあたりの情報量は、若手医師ほどシンプルに、ベテラン・年配の医師ほどリッチに――。このような医師調査結果を製薬デジタルマーケティング支援会社のMCI DIGITALがまとめた。医師全体では「コンテンツのタイトルのみ掲載したシンプルな形が望ましい」(以下、シンプルな形)と、「コンテンツの概要も掲載してメール内である程度内容がわかる形が望ましい(リッチな内容)がそれぞれ約40%ずつとなった。ただ年代別にみると、30歳代以下ではシンプルな形が51.2%、40歳代もシンプルが48.6%と最多となる一方で、60歳代以降はリッチな内容が最も多かった。50歳代はシンプルとリッチで概ね半々だった。年代によってメールに期待する役割が異なる傾向がみられた格好だ。
文末の「関連ファイル」に、メールに掲載する1コンテンツ当たりの情報量の年代別の傾向に関する資料を掲載しました(会員のみダウンロードできます。無料トライアルはこちら)。
同社は、製薬企業サイトやその他医療関係企業サイトを閲覧している医師5146人を対象に、メールチャネルの利用実態と案内方法に対するニーズに関して調査した。調査期間は7月12日~23日で、インターネットで実施した。
調査対象医師のうちMR又はMR以外の製薬企業からメールを受け取っている医師3645人に、メールに掲載する1コンテンツあたりの情報量の意向を聞いた。その結果、シンプルな形が良いとの医師は44.3%、リッチな内容が良いとの医師は40.0%、どちらでも良いが15.6%だった。
これを年代別に見てみると、30歳代以下はシンプルが51.2%、リッチが37.4%、40歳代はシンプルが48.6%、リッチが39.4%――となり、若手医師ほどシンプルな形を望む傾向がみられた。MCI DIGITALは、過去の医師調査で若手医師ほどスマートフォンを用いて情報収集しているとの結果が得られているとして、「シンプルにスマホでもわかるようなメール内容を求めている可能性がある」と分析している。
50歳代はシンプルが42.3%、リッチが38.3%、60歳代はシンプルが36.1%、リッチが45.0%、70歳代以降はシンプルが31.8%、リッチが45.0%――となった。年代が上がるほど、開封したメールである程度内容までわかることを求めているといえそうだ。
◎開封判断 「メールタイトル」の重要度変わらず 「メール送信MR名」は2年前と比べ8pt下落
MRからのメールや、MR以外の製薬企業からのメール(以下、メルマガ)の開封判断の要素も聞いた結果もみてみる。MRメール及びメルマガとも最多の約7割が「メールタイトル」で開封を判断したとし、次いで約6割は「メール送信元の製薬企業名」となった。いずれも過去調査と同様の傾向で、メールを開封してもらうためにはタイトル名(件名)を何よりも考えないといけないポイントであるということが改めて確認できた。
ただ、MRメールについて、「メール送信MR名」で開封判断したとの医師が47.4%で、2年前の前回22年7月調査(55.4%)と比べて8ポイント下落していた点は気になるところだ。MCI DIGITALは、前回調査はコロナ禍のまっただ中でデジタル利用が進んだ時期だったことから、「要因分析のため今後も動向を注視していく必要はある」とした上で、「欲しい情報が得られるかどうかがより大事で、誰から届いたメールなのかという点の重要度が落ちたのかもしれない」との見方を示している。