小野薬品 BTK阻害剤・チラブルチニブを国内申請 再発・難治性中枢神経系原発リンパ腫で
公開日時 2019/08/29 03:50
小野薬品は8月28日、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤のチラブルチニブ塩酸塩(ONO-4059)について、「再発又は難治性の中枢神経系原発リンパ腫(PCNSL)を効能効果に国内で、製造販売承認申請したと発表した。申請は同日付。同剤は、2019年8月20日に厚労省から「中枢神経系原発リンパ腫」を予定効能・効果として、希少疾病用医薬品としての指定を受けている。
今回の承認申請は、再発・難治性のPCNSL患者44人を対象に、同剤の有用性を検討した多施設共同非盲検非対照フェーズ1/2に基づく。PCNSLは、高用量メトトレキサート療法を基盤とした薬物療法や全脳放射線療法が行われている。ただ、再発率が高く、再発・難治性のPCNSLについては標準治療が確立されていないことから、新たな治療選択肢が望まれていた。
チラブルチニブは、B細胞受容体シグナル伝達経路の下流に位置するメディエーター(BTK)を選択的に阻害することで、治療効果を発揮する。B細胞受容体シグナル伝達経路は、B細胞性非ホジキンリンパ腫(B-NHL)や慢性リンパ性白血病(CLL)で恒常的に活性化していることが知られている。小野薬品が自社創薬で開発を進める。なお、日本、韓国、台湾、中国及びASEAN諸国を除く全世界での開発・販売権について、ギリアド・サイエンシズに供給するライセンス(導出)契約を結んでいる。
PCNSLは、初発時に病変が脳脊髄に局在する悪性リンパ腫。国内での新規発症患者数は年間980人と推計されている。局所神経障害や神経精神症状、頭蓋内圧上昇に関連する症状など、病変部位により様々な症状を呈することが知られている。