田辺三菱 血友病Bめぐり遺伝子治療用製品の研究開発に着手
公開日時 2019/08/07 03:50
田辺三菱製薬は8月6日、国内で血友病Bに対する遺伝子治療用医薬品の研究開発に着手したと発表した。自治医科大学と共同で、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを活用した新たな製品の創成を目指す。同研究をめぐっては、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の18年度「医療研究開発革新基盤創生事業(CiCLE)」に採択されており、AMEDと委託研究開発契約を8月に締結したことも同日発表された。
同社が創成を目指す新たな治療法は、液凝固第Ⅸ因子を産生する遺伝子を患者の細胞に取り込ませることで、体内に正常な凝固因子を発現させるもの。現在の血友病Bの治療をめぐっては、出血事象の管理・予防のために定期的な第Ⅸ因子の補充が必要だが、同製品は1回の投与でこうした治療からの離脱が期待できる。
なお、血友病Bに対するAAVベクターを活用した新規治療法の確立に向け、ファイザーとスパーク・セラピューティクス社がフェーズ3段階であるほか、オランダ・ユニキュア社などが開発を進めている。