【World Topics】ホワイトハウス科学フェア
公開日時 2016/05/25 03:50
毎年恒例となったホワイトハウス科学フェア。オバマ大統領の招きで、全米から集まったのはさまざまな科学コンテストの入賞者達だ。
https://www.whitehouse.gov/science-fair
米国の科学コンテストの驚きは 、若者の医療・保健問題への関心の高さであり、研究テーマの高度なことだ。今年のケースを紹介しよう。
グーグル科学コンテスト2015年最優秀賞に輝き5万ドルの賞金を獲得したのは、コネチカット州に住む17歳のOlivia Hallisey。研究テーマは「エボラ出血熱の診断穂の開発」である。
エボラ出血熱が猛威をふるうアフリカで「もっとも 危険にさらされながら、医療へのアクセスが十分でない」人々のために低コストで迅速な診断 を可能にする方法として、抗原を30分以内に検出でき、しかも1回の検査費用はわずか25ドルという「エボラ・アッセイ・カード(Ebora Assay Card)」を写真用紙で制作した。
ジョージア州の Nicole O’Dellも17歳の高校生だ。検査機器の低線量放射線が患者の身体組織に与える影響を研究し、2015年度のアフリカンアメリカンの化学者・ケミカルエンジニア全国組織の科学コンテストで最優秀賞を獲得した。将来の夢は再生医療の研究者になることだという。
メリーランド州出身のNeil Daveyはハーバード大学に通う20歳。ガンの早期発見に寄与する 研究成果でホワイトハウスに招聘された。ガンは早い段階で発見できれば、治療の選択の幅が広がる。
手法はドロップ・ベースのミクロ流体工学とポリメラーゼ連鎖反応の組み合わせで腫瘍細胞遺伝子の循環を検出するというものだ。ガンの遺伝子的な特性を明らかにすることで、治療にあたる医師が個々の患者に即した治療方法を検討することができるよう支援する。(医療ジャーナリスト 西村由美子)
https://www.seas.harvard.edu/news/2016/01/harvard-student-develops-technique-to-diagnose-cancer-from-single-drop-of-blood