エーザイ 新規機序の抗てんかん薬ペランパネルを国内申請
公開日時 2015/07/28 03:50
エーザイは7月27日、自社創製の抗てんかん薬ペランパネル水和物(一般名)について、てんかん患者の部分発作および強直間代発作に対する併用療法の適応で日本で承認申請したと発表した。同剤はファースト・イン・クラスの抗てんかん薬。てんかん発作は神経伝達物質のグルタミン酸によって誘発されることが報告されているが、同剤はグルタミン酸によるシナプス後AMPA受容体の活性化を高選択的かつ非競合的に阻害し、神経の過興奮を抑制するAMPA受容体拮抗薬。1日1回経口投与する。海外製品名はFycompa。
今回の申請に用いたフェーズ3試験のひとつである「335試験」では、難治性部分発作のある12歳以上のてんかん患者を対象に他剤併用時のペランパネルの有用性を評価したところ、主要評価項目の発作頻度変化率において、ペランパネル8mg群、同12mg群はプラセボ群と比較して統計学的に有意な減少を示した。
もうひとつの申請に用いたフェーズ3試験「332試験」では、12歳以上の強直間代発作(以下、PGTC)患者を対象に他剤併用時のペランパネルの有用性を評価したところ、主要評価項目のPGTC発作頻度変化率において、ペランパネル群はプラセボ群と比較して有意な減少を示し、さらにペランパネル群では患者の30.9%で治療維持期13週間にわたりPGTC無発作状態が維持された(プラセボ群では12.3%)。
335試験、332試験で認められた主な有害事象は浮動性めまい、疲労、頭痛、傾眠、易刺激性だった。
日本のてんかん患者数は約100万人と報告されている。発作のタイプによって、てんかん全体の約6割を占める部分てんかんと、約4割を占める全般てんかんに大別される。PGTCは全般てんかんにおける最も重篤な発作型のひとつで、全般てんかんの約6割、てんかん全体においても約2割を占める。PGTCは、突然の転倒による重篤なけがの恐れがあるほか、その発作頻度はてんかん患者の予期せぬ突然死の最も重要な危険因子とされ、てんかんの中でも極めて重篤な発作型のひとつとされる。