小野薬品 新規血小板減少症治療薬の開発・販売権を日産化学に返還
公開日時 2014/05/08 03:50
小野薬品はこのほど、日産化学から独占的開発・販売権を取得していた新規血小板減少症治療薬(NIP-022/ONO-7746)について、ライセンス契約を終了し、権利を日産化学に返還したと発表した。日産化学は、小野薬品から取得した非臨床試験および臨床試験に関する試験データも基に、新たな導出先を検討する。
両社が4月30日に発表した。2007年にライセンスを取得した小野薬品は、健常人や抗悪性腫瘍剤投与に伴う血小板減少症患者を対象としたフェーズ1試験を実施し、同薬の有効性や安全性を確認していた。今回の開発中止は同社の戦略上の理由によるもので、NIP-022/ONO-7746の開発継続に支障はないとしている。
NIP-022/ONO-7746は日産化学が創製した新規血小板減少症治療薬。造血因子であるトロンボポエチンの受容体を活性化することにより血小板数を増加させる低分子化合物で、経口投与が可能。血小板減少を来す病態としては、特発性血小板減少性紫斑病や再生不良性貧血、骨髄異形成症候群などの血液疾患がある。そのほか、がん化学療法やC型肝炎など慢性肝疾患でも同様の病態が認められている。