薬食審・第二部会 C型肝炎治療薬ソブリアードなど新薬2成分審議 承認了承
公開日時 2013/09/17 03:54
厚生労働省の薬食審医薬品第二部会は9月13日、新薬2成分を審議し、承認を了承した。同省医薬食品局審査管理課によると、プロテアーゼ阻害剤で経口C型肝炎治療薬のソブリアード(ヤンセンファーマ)には、類薬のテラビック(田辺三菱製薬)に求められている重篤な皮膚障害対策としての「皮膚科医との連携」を求めない。そのため皮膚障害の副作用を発現した患者や懸念がある患者にとって新たな選択肢になりうる。海外承認はなく、9月下旬~10月上旬には世界初承認となる見通しだ。
承認が了承されたのは次のとおり(カッコ内は一般名と会社名)。
▽ソブリアードカプセル100mg(シメプレビルナトリウム、ヤンセンファーマ):「セロタイプグループ1(ジェノタイプ1(1a)または2(1b)のC型慢性肝炎における、血中HCVRNA量が高値の未治療患者、またはインターフェロンを含む治療法で無効又は再燃となった患者のウイルス血症の改善」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。海外承認はなく、欧米で承認審査中。
同剤は優先審査指定されており、約7カ月で承認されるの見通しとなった。ペグインターフェロン(α-2aまたはα-2b)とリバビリンとの3剤併用療法で用いる。1回100mgを1日1回(テラビックは1回750mg1日3回)を12週投与。テラビック錠の添付文書の警告欄にある、重篤な皮膚障害対策としての「皮膚科医と連携して使用すること」という記載は盛り込まれないという。
▽ハイゼントラ20%皮下注1g/5mL、同2g/10mL、同4g/20mL(pH4処理酸性人免疫グロブリン、CSLベーリング):「無又はガンマグロブリン血症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。欧米32カ国で承認済。
免疫グロブリン製剤は皮下注製剤は日本で初めてで、在宅での週1回の自己注射が可能になる。9月下旬~10月上旬には承認となる見通し。
既存の静注製剤だと定期的に通院が必要で、皮下注製剤導入より在宅自己注を可能にすることは患者の「生活の質の向上に寄与する」として、同省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で指摘され、同省から開発要請されていた。