Meiji Seika ファルマ 原口議員提訴で見解 コスタイベで非科学的な誹謗中傷を継続 立憲民主にも相談
公開日時 2024/11/01 04:51
Meiji Seika ファルマは10月31日、立憲民主党の原口一博衆院議員を名誉棄損で「現在、提訴を検討し、準備を進めている」との公式見解を発表した。同社は、原口議員がSNS等で、同社のレプリコンタイプ(自己増幅型)の次世代mRNAワクチン・コスタイベについて、「長期にわたり非科学的な誹謗中傷を繰り返している」と指摘。特に問題視しているのは、「開発会社の当社を『731部隊』と表現したり、国の承認を受けた次世代mRNAワクチンを『生物兵器』であるとか『3発目の原爆』」などと繰り返し発言していることだと訴えた。そして、適法な承認プロセスを経て同剤の承認を取得した「何ら落ち度のない民間企業」に対し、このような発言を繰り返すことは、社員や家族の心情を鑑みると到底容認できず、Meiji Seikaの社会的信用を守るために提訴を検討し、準備を進めているとした。
◎原口議員の言動に「相当の影響力」 サイエンスコミュニケーションの基盤を崩壊させる危険性も
原口議員に関しては、「国民を代表する国会議員という強い立場におられ大臣の経験もある原口議員の言動は相当の影響力を持っている」とした。ただ、「原口議員は国会議員として、厳格に規制された手続きを経て、国が、有効性と安全性を評価し、承認した経緯やその内容を十分知り得る立場にありながら、上述するような誹謗中傷を繰り返している」と指摘。「この行為は、当社の社会的信用を失墜させ、まさに名誉を棄損するものであると考える」と訴えた。
さらに、「国会議員のこのような発言は、当社だけの問題ではなく、我が国の医療介入における客観性と科学性を基盤とする医師と接種者や患者間のサイエンスコミュニケーションの基盤を崩壊させる危険性があり、公衆衛生上大きな問題になると考えている」とも指摘した。
◎原口議員の行動 「立憲民主党に相談」していたこと明かす
提訴を検討するまでの過程で原口議員に働きかけをしたかについては、「弊社は原口議員の行動を立憲民主党に相談するとともに、10月初旬に原口議員宛に警告書を送付している」とし、原口議員が所属する立憲民主党に相談していたことを明らかにした。
ただ、立憲民主党への相談や原口議員に警告書を送付したにもかかわらず、「選挙期間中の選挙公報などにも弊社製品に関する誹謗中傷が継続して記載されていることを確認している」とし、国政選挙においても非科学的な主張やMeiji Seikaに対する誹謗中傷を続けたことを問題視した。
なお、原口議員は選挙運動用ビラや選挙公報で、コスタイベをはじめとするレプリコンワクチンは「治験をしたアメリカでもベトナムでも認可されていない未知のワクチン」であり、日本人が「モルモットにされていると言っても過言ではない」と記載・主張していた。
◎根拠のない誹謗中傷やデマの繰り返し 「言論の自由の一環であるとの考えに賛同しかねる」
このほか、Meiji Seikaに対し「国会議員の発言を提訴することについて言論の自由、言論統制の観点からどのように考えるか」との質問があるという。これにMeiji Seikaは、「科学的根拠があるかどうかの正当な議論であるならともかく、根拠のない誹謗中傷やデマ(明らかな虚偽情報)を繰り返すことは、言論の自由の一環であるとの考えには賛同しかねる」と主張した。ただ、一般人が新規ワクチンの安全性に対して懸念や不安を抱くことは「むしろ健全」との考えも示した。
今回の提訴の検討に「政治的な意味合いはあるのか」については、「当社は製薬企業として広く国民の皆様の健康な生活や社会経済活動を支える立場にあることから、不偏不党の立場をとっており、政治的な意味合いは一切ない」とした。そして、今回の提訴の検討は、「あくまで原口議員の当社に対する誹謗中傷に該当する発言を問題視しているにすぎず、他に何らかの意図をもって提訴するものではない」と明示した。