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インフルエンザ市場 抗ウイルス薬処方率が8割超え 流行拡大の兆候明らか エムスリー・JAMDAS調べ

公開日時 2024/11/21 04:53
インフルエンザ罹患患者に対する抗ウイルス薬の処方率が11月11日の週に80%を超えたことがわかった。これはエムスリーが独自に構築したリアルワールドデータベース「JAMDAS」を用いて分析したもの。同社によると、過去のインフルエンザシーズンの動向から、抗インフルエンザウイルス薬の処方率が80%を超えると、データ上では早ければその1週間後からインフルエンザの罹患患者数が急増する傾向がみられるという。定点当たりインフルエンザ罹患患者数は0.695で、前週(4日の週)から1.5倍となったことも踏まえ、同社は、「24-25シーズンの流行拡大の兆しがみられるというデータであり、流行が本格化する可能性がある」と指摘している。

JAMDASに登録のある全国2999施設のデータを基にした推計データから、インフルエンザに対する処方動向などを分析した。JAMDASの一部は電子カルテ由来のデータを含む。調査対象の抗インフルエンザウイルス薬(以下、抗ウイルス薬)はタミフル、イナビル、リレンザ、ラピアクタ、ゾフルーザで、その後発品も含む。

月次のインフルエンザ罹患患者数(拡大推計)と抗ウイルス薬の処方率をみると、24年9月が10万4000人(100人未満切捨て)で処方率は67.8%、10月は16万8300人、67.7%、11月は17日までで13万3000人、79.2%――だった。インフルエンザの罹患患者全員に抗ウイルス薬が処方されていないのは、医師の判断や、発症から48時間以上経過した症例だったということが考えられる。

次に10月以降の週次の罹患患者数と処方率を見てみると、9月30日の週が4万100人、56.4%、10月7日の週が4万1400人、60.0%、14日の週が2万8600人、72.1%、21日の週が3万8200人、76.8%、28日の週が4万2000人、76.1%、11月4日の週が4万6400人、78.0%、11日の週が7万3000人、80.9%――で、罹患患者数とともに処方率も伸びていた。

なお、前シーズン(23年9月~24年8月)は、23年8月21日の週に82.0%となってから、罹患患者数は21日の週が5万2800人、28日の週が8万7400人、9月4日の週が13万8200人、11日の週が23万4600人――と右肩上がりに推移し、12月4日の週にピークの105万人超えとなった。9月以降の処方率は80%後半から90%台をキープしていた。

前シーズンのインフルエンザ患者数は計1622万人、抗ウイルス薬の処方率は1480万人(91.2%)で、処方薬剤はタミフル(後発品含む、465万人)、ゾフルーザ(447万人)、イナビル(425万人)――の順に多かった。

◎定点当たりインフルエンザ罹患患者数 トップは沖縄県

24年11月11日の週について、定点当たりインフルエンザ罹患患者数は0.695で、前週(4日の週)から1.5倍となった。定点当たり患者数で流行入りの目安となる「1」を超えた都道府県は、沖縄県(2.489)、大分県(1.513)、埼玉県(1.378)、神奈川県(1.362)、岐阜県(1.351)――の5県だった。なお、大分県はデータ抽出医療機関が30施設未満ということに留意が必要となる。
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