製薬企業のDTC広告 FDAの警告が増加
公開日時 2010/08/20 04:00
米食品医薬品局(FDA)が製薬企業が展開するDTC(消費者向け直接)広告への警告文書が増加している。特に、インターネットを活用した広告についての増加が大きい。警告の回数だけでなく、違反事例が複数含まれるなど内容的にも問題があるものも増加しているという。
FDA医薬品マーケティング・広告・コミュニケーション部(DDMAC)は、今年に入ってから6月30日までに40件の警告書を発行した。2006年は22件、2007年は19件、2008年は21件、2009年は41件で、昨年の件数とすでにほぼ肩を並べている。しかも、警告文書の内容には違反事例が複数含まれており、今年の違反事例は1文書につき約4件。昨年の約3件、2006年の2.5件と比べ、増加傾向をみせる。
具体的な違反内容は、リスク情報の割愛、有効性・安全性の過大表記、根拠のない比較データの提示、未承認薬の販促などが挙げられる。
違反増加の背景には、1999年にDTC広告のガイダンスが制定され、現在、同ガイダンスに基いた規制がされている。しかし、インターネット広告については特化したガイダンスがなく、製薬企業で混乱が生じていることが挙げられる。
DTC広告に精通する識者は、FDAが早急にインターネット広告のルールを制定すべきと訴えている。
(The Pink Sheet 8月9日号より) FDAと米国製薬企業の情報満載 “The Pink Sheet”はこちらから