米FDA ディシェンヌ型筋ジストロフィー遺伝子治療Elevidy適応追加を承認
公開日時 2024/07/04 04:47
米食品医薬品局(FDA)は6月20日、米Sarepta Therapeutics Inc社のDMD(ディシェンヌ型筋ジストロフィー)遺伝子治療Elevidys(delandistrogene moxeparvovec-rokl)について4歳以上の患者における歩行可能および歩行不可能な、DMD遺伝子変異陽性のDMD患者に対する適応追加を承認した。FDAは、同剤について、2023年6月にDMD遺伝子変異陽性で歩行可能な4歳から5歳の小児におけるDMDの適応で迅速承認していた。
DMDは、時間経過に伴い身体の筋肉が衰弱、委縮し、悪化する希少かつ重篤な遺伝性疾患である。同疾患の原因は、筋肉細胞の健常の維持を助けるタンパクであるジストロフィンの欠損を招くジストロフィン遺伝子変異によって引き起こされる。Elevidysは、健常筋肉細胞の短縮型マイクロジストロフィン産生を行わせる遺伝子をアデノ随伴ウイルスに運搬させる治療法で、単回静脈注射剤。
DMDは、歩行・走行障害、頻回の転倒、疲労感、学習困難、心筋機能低下による心機能障害、呼吸筋の機能低下による呼吸困難などの症状が発現する。疾患の重症度および平均寿命は多様だが、患者はしばしば、心不全あるいは呼吸不全で20歳代あるいは30歳代で死亡する。同疾患は、主に男性が罹患し、女性は希少である。米国では、3300人に1人の少年が罹患しているという。