1月号『2025年始動 生成AI時代のMRスキルを考える』から思うこと
こちらのコーナーでは、ミクス本誌の記事から人事担当者の目線で気になった記事を主にキャリア開発の視点から読み解いていきます。
製薬業界に関するニュースが日々飛び交うなかで皆さまのキャリア構築の一つの視点として読んでいただけますと幸いです。
今回は、1月号に掲載されている
「生成AI時代のMRスキル」に関する記事にフォーカスを当てたいと思います。
時間の余裕のあるときにこそ自分自身を深掘りする
新年を迎えるタイミングでご自身のキャリアについて思いを馳せる方は多いのではないでしょうか。次にめざすポジションを定めた上でそこに求められるスキルセットを確認したり、中長期的なビジョンでキャリアパスをイメージしたり、その内容や方法は人それぞれだと思いますが、どんな形であったとしても年の初めに自分の目標を明確に設定することは、自分自身の仕事の意味をあらためて認識することにもつながるのでとても大切なことだと言えます。
その目標設定に際して、キャリア開発意識の高い方や知識の豊富な方は、
・Will, Can, Mustの軸で自身の思いや能力、自身への期待を整理する
・自身の経験や保有するスキルについてのSWOT分析を行う
といった代表的な方法論を組み合わせて活用されることが多いと思います。これらの方法論を使うことで「自身のスキルや経験値」と「社会や顧客のニーズ」との関係性が把握しやすくなり、そこを起点に自分自身の目標設定を行うことはとても理に適うためです。たとえば、今回のミクスの記事では、「MRには今まで以上の目利き力が求められる」ということが指摘されていますが、ドクターのニーズをより高い精度で理解するためにはAIなどをうまく活用することが有効となるため、MRがAIの特性を理解し使いこなすためのスキル獲得を目標とすべきという結論に容易に到達できるのです。
しかし一方で、上記の方法論では、自分自身の価値観を再発見したり、自身の想いの源泉に向き合うといった、自己理解を深める作業が手薄になることがあります。ただ、確たる自己理解がなければ本当に納得度の高いキャリア形成はできないため、適切なフレームワークを活用しながら充分な時間をかけて自己理解を深めることが重要になります。だからこそ、年末年始などのフレキシブルな時間や、業務に余裕のある時期を有効に活用して本当の自分自身と向き合っていただければと思います。
Inside-Outのアプローチ
自分自身について深く理解するためのアプローチはいろいろとあります。ライフラインチャートやジョハリの窓、MATCHなどの適性診断ツールなどはその代表的な例で皆さんよくご存知だと思いますが、ここではもっともシンプルな方法として「Inside-Out」という考え方をご紹介したいと思います。これは文字通り、ものごとの内側から外側へ向かって思考法で、下の図の通り、「Why」⇒「How」⇒「What」という順番で考えていくというアプローチである点がポイントになっています。
<図1>
簡単に言うと、
①Why:何のために行うのか?
②How:どのような手順/アプローチで行うのか?
③What:具体的に何に取り組むのか?
ということですが、少し抽象度が高いので具体的なMRのキャリア開発の事例で説明してみたいと思います。
①Why:どのような患者さんに、どのような価値を提供したいのか?
②How:その価値を提供するために、どのようなMR活動を展開するのか?
③What:そのMR活動の中でどのようなチャレンジ(テーマ)を行うのか?
MRの方が上長との1on1に臨まれる際、「自分も数年以内に所長になって7-8名程度の部下を持ち、自身の経験やノウハウを皆さんに伝えながら担当エリアの医療課題の解決を図っていきたいです」というようなキャリアプランを話されているとよく聞きます。もちろん高い志であることに間違いはないのですが、たとえば上長から、「では、担当エリアの医療課題の解決を図るために具体的に何をしたいですか?」と聞かれると、今までに見聞きしてきた施策を並べて説明するにとどまってしまう可能性が高いように感じます。
その原因は、「営業所長になる」という❝既存のWhat❞を起点にキャリアを考えることで、既存のHowに発想が帰結しやすくなり新たな発想を得ることが難しくなることですが、これでは未来のキャリアを考えるには少しもったいないと思います。また、万一、めざす既存のポジションが組織変更などで無くなってしまった場合、当然のことながらHowも自動的に消滅してしまうことになるので、とても不安定なキャリアの考え方になるとも言えます。
それに対して、Inside-Outで考える(Whyから考える)というアプローチは、ある意味で自分の理想論からスタートすることからHowは既存のアプローチに限定されることなく自由に発想しやすくなり、結果としてwhatの幅もかなり大きく広がることになります。もちろん、結果的に「営業所長」という同じWhatに行きつく場合もあるかもしれませんが、それでもHowの部分がかなり異なるはずなので、仮に営業所長のポジションがクローズされたとしても他のWhatをすぐに見つけることができるはずです。
これまでのコラムでも何度かお伝えしてきましたが、キャリアのゴールや目標は既存のものに縛られる必要がないので、ぜひ一度、皆さんお一人おひとりの自由な発想でWhyを整理してみていただければと思います。そのためには、リラックスした環境や充分な時間があることが好ましいので、日常の仕事に追われる前のこのタイミングが1年でも最も適していると考えています。
<今回の記事にちなんだ厳選お薦めポジションのご案内>
●Brand Manager_Oncology(hematology) 【アッヴィ】
●プロダクトマーケティングマネジャー/スタッフ or ノンラインマネージャー/オンコロジー 【ベーリンガー】
●Disease Awareness Manager(肥満症) 【ノボノルディスク】
※上記案件にご興味のある方は、下記ページからお問合せいただくか、以下までご連絡をお願いいたします
<詳細案内ページ>
https://www.mixonline.jp/career/
<連絡先>
ミクスキャリアコミュニケーション事業部 岡田宛
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