「先生、大変なことが起こりました」が、山中伸弥の研究の出発点
公開日時 2012/11/29 00:00
イーピーエス株式会社榎戸誠中身がぎっしりこんなに文章量が少ないのに、こんなに中身がぎっしり詰まっている本は珍しい。『山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた』(山中伸弥著、聞き手・緑慎也)は、3つの魅力を備えた、MR必読の書である。iPS細胞とは魅力の第1は、この本を読めば、iPS細胞(人工多能性幹細胞)の過去・現在・未来が明快に理解できること。ES細胞を医療に応用する上で大きな障壁になっていた倫理的問題と免疫拒絶問題をiPS細胞が解決したこと、iPS細胞の応用で期待できるのは、①再生医療、②病態モデルによる難病などの原因解明、③難病などの治療薬の開発──の3つであることなどが、分かり易く述べられている。当面の課題として、iPS細胞のストック(在庫)を作ることと、iPS細胞の安全性...