サノフィ 早期退職優遇制度に定員の250人を超える応募が 若手社員も含む
公開日時 2018/06/04 03:53
サノフィがこのほど実施した「Plan2018拡大早期退職優遇制度」に、当初予定した募集者数250人を超える応募があったことが本誌の取材で明らかになった。同制度の対象社員は、糖尿病・循環器ビジネスユニット(BU)と同メディカル本部、ジェネラルメディスンBU、サノフィパスツールワクチンBU、Japan & GEM JPACオフィス、CHCパートナリング部のほか、法務部や財務・管理本部、ITソリューション本部などに所属し、5月31日時点で勤続3年以上の一般職および満40歳以上の管理職が対象となった。3月12日13時から募集を開始した。退職日は先週5月31日。
同社は今春、自社のイントラネットを通じ、社員に対し、変革を求めるメッセージを掲載した。その背景には、今年4月の薬価制度抜本改革など政府の推し進める医療制度改革や、これに伴うマーケットアクセスへの対応が急務となったことの警鐘が込められている。
◎「頻回訪問よりも価値の高い行動を求めている」
実際に同社の場合、18年度薬価改定に伴う影響について、「今後3年間で660億円の売上が減少する」と見込んだ。続けて、「マーケットアクセスが厳しくなる。ガイドラインもアクセスを難しくしている」と業務環境が一段と変化し、「(顧客の)要望を満たすようなカスタマイズした情報を提供し、頻回訪問よりも価値の高い行動を求めている」と指摘。ビジネスマインドが予想以上のスピードで転換していることに理解を求めた。その上で、社員に対しては、MR、営業所長、支店長、さらには本社マーケティングメンバーの全員に、マインドセット、スキル、ツール、成功の評価方法、業務に取り組む姿勢-のすべてにおいて完全変容を求めている。
◎いまのスキル/レベルの延長ではない!
「将来に自信は、ある。しかしながらそのためには明確に人件費削減が必須条件。求める人財は、いまのスキル/レベルの延長ではない!あなた自身を見極める時です」-とのメッセージ。
社員に示された選択肢は、①完全変容にむけ邁進し、チャレンジ(DCVのnew World orderもしくは、サノフィの中で新たなチャレンジに飛び込んでみる)する、②自分の今の実力や培ってきた能力をさらに発揮できる、貫き通せる環境にチャレンジする-の2択。後者を選んだ社員には「Plan2018拡大早期退職優遇制度」が用意された。
早期退職優遇制度は、JCCメンバーや執行役員、その他一部の社員を適用除外とする一方で、勤続3年以上のほぼ全ての社員と、満40歳以上の管理職(正社員、再雇用契約社員)で会社が承認した社員が対象となった。3月12日の申請開始と同時に応募者が増え始め、当初見込んだ250人に対し、予想以上の社員が手を挙げたという。この中には30歳代の若手社員も含まれる。退職日は一部部門を除き先週5月31日とした。ただ、今回に限り無給在籍を希望すれば、6月末、7月末、8月末まで認める。