日医・松本会長 参院選控える25年「組織力強化に注力」 26年度改定へ「賃金・物価影響を分析、働きかける」
公開日時 2025/01/07 04:50
日本医師会の松本吉郎会長は2025年度年頭所感で、「引き続き組織力強化に努める」と表明した。現場に根差した提言を行い、医療政策の決定プロセスに反映させていきたい考えを示す。今年7月に控える参院選挙にも触れ、日本医師連盟の組織内候補となる釜萢敏日医副会長について、「余人をもって代えがたい存在」として、支援を訴えた。今年議論が本格化する26年度診療報酬改定にも言及した。「地域医療が崩壊しかねない、まさに危急存亡の危機」と危機感を表明。「国民が必要な医療を受けることができる地域医療の確保のため、賃金上昇、物価高騰等に直面する医療機関の経営の現状について分析を行い、政府・与党にしっかり働きかけるとともに、医療機関の経営の安定化に向けて取り組む」姿勢を示した。
松本会長は就任以降、組織力強化に注力する方針を掲げており、24年7月末には会員数が初めて17万7000人を突破したという。組織力強化の目的について、「現場に根差した提言をしっかりと医療政策の決定プロセスに反映させていく中で、医師の診療・生活を支援し、国民の生命と健康を守ることにある」とした。「対外的にも医師会のプレゼンスを一段と高める」必要性も強調した。
今年4月にかかりつけ医機能報告制度が施行されることにも触れた。「地域を面で支えるため、多くの医療機関に手を挙げて参画いただきたい」と表明。日医としても、「かかりつけ医機能報告制度を見据え、研修の充実等を図っていく」としている。
松本会長は、「日本医師会は、医療界の総力を結集し、いわば「常山の蛇勢」で、攻めるところは攻め、守るところは守る、攻防一体の活動を進める」と強調した。
◎NPhA・三木田会長 26年度調剤報酬改定「インフレ下に適した改定に」
日本保険薬局協会(NPhA)も三木田慎也会長名で年頭所感を発表した。26年度調剤報酬改定に向けた議論が本格化する中で、「薬局の経営環境が悪化している中で、インフレ下に適した調剤報酬改定の在り方に改める」ことを求めた。その上で、▽薬局グループの規模にかかわらず薬局が果たしている機能を公正に評価すること、▽医薬品の安定供給と後発医薬品の継続的な使用促進に対する評価を行うこと、▽医療 DX 推進及び活用を評価すること―を要望していきたいとしている。