ジェネリック専業大手の年頭所感 医薬品供給不足へ生産能力増強、サプライチェーンの構築へ意欲
公開日時 2025/01/07 04:50
ジェネリック大手2社は経営トップの年頭所感を発表した。沢井製薬の木村元彦代表取締役社長は、「経営層と現場が一体となって品質管理及び生産管理の徹底を図ることで皆様のお役に立つ企業であり続けたい」と抱負を語った。東和薬品の吉⽥逸郎代表取締役社長は、「複数の生産拠点で製造できるバックアップ体制も含めた持続可能なサプライチェーンの構築が必要。自社グループ内だけでなく、長期的にはアライアンスによるバックアップ体制により堅牢な生産体制の構築に努めていく」と強調した。
◎沢井製薬・木村社長 供給不足解消へ向け限定出荷品を積極的に解除 生産能力増強へ
沢井製薬の木村元彦代表取締役社長は、長引くジェネリック医薬品供給不足の解消に向けた取り組みについて触れ、「昨年夏より利益品と不採算品目を区別することなく限定出荷品を積極的に解除してきた」ことを明かし、「2023年12月に247品目あった限定出荷品を2024年12月には89品目まで削減することができた」と成果を強調した。
また、生産能力増強の取り組みについては、「2022年4月に操業開始した福井県のトラストファーマテック社への生産委託数量も月産1億錠レベルにまで上昇している」としたうえで、福岡県の第二九州工場の新固形剤棟も「予定通り昨年7月に竣工し、すでに数品目は商業生産に移行している」と述べ、今年も移管品目をさらに増やす計画だと明らかにした。
こうした取り組みを計画通り推進することに加え、「経営層と現場が一体となって品質管理及び生産管理の徹底を図ることで皆様のお役に立つ企業であり続けたい」と抱負を述べた。
◎東和薬品・吉田社長 「ジェネリックは重要な社会インフラ」サプライチェーン構築の必要性訴える
東和薬品の吉⽥逸郎代表取締役社長は、「ジェネリック医薬品が重要な社会インフラとなった今、品質の確保や安定供給体制の構築は社会的責任だと考えている」と思いを明かした。同社では医薬品の安定供給に向け「2023 年11月に建設工事が完了した山形工場第三固形 製剤棟、第二無菌製剤棟で全面的な生産ができるよう設備導入等を進めている」と現状について明らかにしたうえで、「今年中に 175億錠の生産体制を構築し、少しでも早く安定供給が確保できるよう、努力を続けていく」と見通しを示した。
また、安定供給を有事の際にも行えるよう体制を構築する必要があると考えを明らかにし、「複数の生産拠点で製造できるバックアップ体制も含めた持続可能なサプライチェーンの構築が必要。自社グループ内だけでなく、長期的にはアライアンスによるバックアップ体制により堅牢な生産体制の構築に努めていく」と強調した。
加えて、国内外で問題となっているニトロソアミン類の管理に関しても触れ、同社は「分析方法や原因と解決策について研究成果を発表してきた。引き続き、この問題の解決に向けて挑んでいく」と述べた。