アムジェン・静岡がんセンター・MICIN 未治療進行がんの治験でDCTプラットフォーム活用
公開日時 2024/12/23 04:50
アムジェン、静岡がんセンター、MICINはこのほど、がん領域の治験においてMICINの分散型臨床試験(DCT)プラットフォーム「MiROHA」の使用を開始したと発表した。治験の対象は治癒切除不能な局所進行又は転移性の胃又は食道胃接合部がんの成人患者。発現頻度が低いバイオマーカーを指標としており、患者数が少なく、スクリーニングでの脱落率も高いことが予想されている。DCTの実施により、患者が治験実施医療機関を直接受診することなく、紹介元のパートナー医療機関で治験の説明を受けることが可能になる。患者に治験参加の機会を広げるとともに、治験への組み入れ促進につなげる狙いがある。
◎静岡県内のパートナー医療機関へ 遠隔でeConsentによる治験説明
治験実施医療機関である静岡がんセンターは、MiROHAを活用することで、静岡県内の複数のパートナー医療機関をオンラインでつなぐことができる。具体的な流れとして、パートナー医療機関の候補患者に対して、静岡がんセンターはeConsentを用いて治験説明を実施。同意取得が得られれば、パートナー医療機関から静岡がんセンターに腫瘍検体を送る。バイオマーカー陽性で、治験参加を希望した場合は静岡がんセンターを受診する。今回は同意取得のみが遠隔で行われ、以降の治験業務は静岡がんセンターで実施するという。
◎静岡がんセンター消化器内科・川上武志医長「来院せず検査可能」治験参加のハードル下げる
静岡がんセンター消化器内科の川上武志医長は、「バイオマーカー発現の有無を来院せずに検査が可能となり、治験参加のハードルを下げることが期待される。MiROHAを導入し、パートナー医療機関のご協力の下、これまで治験の情報が届かなかった患者さんや遠方という理由で治験参加を諦めていた患者さんに、治験参加の機会を提供できることを期待している」とコメント。
アムジェンの下永応博執行役員医薬開発本部長は「一人でも多くの方に治験の機会を提供することも一つの取り組み。静岡がんセンターでeConsentを導入いただくことで、今後のDCTの実現可能性を示すとともに、患者さんの治験へのアクセス向上と負担軽減に寄与していきたい」と期待を込めた。