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【グローバル企業2024年決算トピックス#2】ロシュ アストラゼネカ ノバルティス BMS

公開日時 2025/03/27 04:52
外資製薬企業の2024年医療用医薬品売上高上位各社の決算概況を紹介する第2回目は、5位~8位の、ロシュ、アストラゼネカ(AZ)、ノバルティス、ブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)を取り上げる。(全4回連載、1回目はこちら

【5位 ロシュ】

総売上高は前年比3%増(為替の影響を除くと7%増)の623.95億スイスフラン(CHF、708.81億ドル)となり、このうち医療用医薬品の売上高は5%増(同8%増)の480.42億CHF(545.76億ドル)で5位だった。また、純利益は26%減の91.87億CHF(104.36億ドル)となり、6位となった。

2022年に日米欧で上市した加齢黄斑変性等の治療薬・バビースモが64%増の38.64億CHF(43.90億ドル)に拡大した。また、乳がん治療薬・フェスゴは55%増の17.40億CHF(19.77億ドル)となり、この2製品の伸びが目立った。

最主力品の多発性硬化症治療薬・オクレバスは6%増の67.44億CHF(76.61億ドル)となり、医療用医薬品売上全体の14%を占めている。2位の血友病A治療薬・ヘムライブラは9%増の45.03億CHF(51.15億ドル)となった。

2024年には、日米欧で発作性夜間ヘモグロビン尿症治療薬・ピアスカイ、米国で乳がん治療薬「Itovebi」 (イナボリシブ)の承認を取得した。なお、為替レートは24年の年間平均で1CHF=1.136ドルだった。2025年の総売上高は1桁台半ばの伸長率(CERベース)を見込んでいる。

【6位 アストラゼネカ】

総売上高(医療用医薬品売上高)は18%増(為替の影響を除くと21%増)の540.73億ドルとなり、全体で6位だった。純利益は18%増の70.41億ドルとなり、8位となった。

がん治療薬全体の売上が18%増の202.75億ドルとなった。このうち、非小細胞肺がん治療薬・タグリッソは13%増の65.80億ドル、がん免疫療法薬・イミフィンジは17%増の47.17億ドル、慢性リンパ性白血病治療薬・カルケンスは24%増の31.29億ドル、PARP阻害剤・リムパーザは9%増の30.72億ドルと好調を持続した。

最主力品のSGLT2阻害剤・フォシーガは28%増の76.56億ドルを売り上げ、2桁成長が続いた。発作性夜間ヘモグロビン尿症等の治療薬・ユルトミリスは32%増の39.24億ドルとなった。

呼吸器・免疫疾患治療薬全体の売上は21%増の74.16億ドル。気管支喘息等に対する抗IL-5受容体α抗体・ファセンラは9%増の16.89億ドル、COPDに対するICS/LABA/LAMA配合剤・ビレーズトリは44%増の9.78億ドルを売り上げた。 2025年の総売上高は1桁台後半の成長率(CERベース)を見込んでいる。

【7位 ノバルティス】

総売上高(医療用医薬品売上高)は11%増(為替の影響を除くと12%増)の503.17億ドルとなり、全体で7位だった。純利益は、39%増の119.39億ドルとなり、4位だった。23年10月に後発品・バイオシミラー(BS)事業部門のサンドのスピンオフを完了しており、増減は継続事業(イノベーティブ医薬品事業)の比較。

同社売上トップ製品の慢性心不全治療薬・エンレストが30%増の78.22億ドルと続伸し、同社の医療用医薬品売上全体の16%占めている。2位の乾癬治療薬・コセンティクスも23%増の61.41億ドルと2桁の成長を示した。多発性硬化症治療薬・ケシンプタは49%増の32.24億ドル、乳がん治療薬「Kisqali」(リボシクリブ)は46%増と30.33億ドルといずれも30億ドルを突破した。

また、PSMA陽性転移性去勢抵抗性前立腺がん治療用の放射性医薬品「Pluvicto」(lutetium lu 177 vipivotide tetraxetan)が42%増の13.92億ドル、持続型LDLコレステロール低下siRNA製剤・レクビオが112%増の7.54億ドル、慢性骨髄性白血病(CML)治療薬・セムブリックスが67%増の6.89億ドルと大幅に伸長した。セムブリックスは24年10月に米国でCMLの1次治療での使用が承認された。

2025年の総売上高は1桁台半ばから後半の成長率(CERベース)を見込んでいる。米国で25年半ばにエンレスト、慢性特発性血小板減少性紫斑病治療薬・プロマクタ、CML治療薬・タシグナへの後発品参入を想定している。

【8位 ブリストル マイヤーズ スクイブ】

総売上高(医療用医薬品売上高)は7%増(為替の影響を除いても9%増)の483.00億ドルとなり、8位だった。米Karuna社買収や米SystImmune社との提携などで第1四半期に129.49億ドルのインプロセスR&D費を計上した結果(年間IPRD費は14.65倍の133.73億ドル)、純損益は89.48億ドルの赤字だった。

最主力品の抗凝固薬・エリキュースは9%増の133.33億ドル、それに続くがん免疫療法薬・オプジーボは3%増の93.04億ドルと堅調だった。24年12月には米国でオプジーボの皮下注製剤「Opdivo Qvantig」の承認を取得した。

2023~24年に骨髄異形成症候群(MDS)に伴う貧血1次治療に適応拡大したレブロジルの売上は76%増の17.73億ドル、24年に米国で慢性リンパ性白血病、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫に適応拡大したCAR-T細胞療法・ブレヤンジが105%増の7.47億ドルとなった。

2024年3月のKaruna社買収により獲得した統合失調症治療薬「Cobenfy」(xanomeline and trospium chloride)は、24年9月に米国で承認を取得し、24年の売上寄与は1000万ドルだった。

2025年の総売上高予想は約455億ドルと、減収を見込む。血液がん治療薬のレブラミド、ポマリスト、スプリセル、抗がん剤・アブラキサンの後発品の影響を反映している。

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