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アムジェン・ムルテイラ社長 31年に新薬12製品・38適応取得へ「日本で№1バイテク企業目指す」

公開日時 2024/12/16 04:52
アムジェンのスザナ・ムルテイラ代表取締役社長は12月13日、東京都内で記者会見し、「2031年に向けて、日本でナンバー1のバイオテック企業を目指す」と強調した。すでに国内では17の新薬候補物質で41の治験をすすめている。ムルテイラ社長は、「31年には12製品、38適応症の新薬を上市させる」と強い決意を明らかにした。会見では来日中の米アムジェンのマード・ゴードン・グローバル・コマーシャル・オペレーションズ上級副社長が、「日本は2番目に大きな市場。最も早く成長が期待できる。我々にとって重要なマーケットだ」と述べ、継続的な投資を約束した。

◎日本法人・ムルテイラ社長 23年の売上高5億8400万ドル

スザナ・ムルテイラ代表取締役社長は会見で、23年の売上高が5億8400万ドルだったと報告した。日本法人の設立は2020年。ビジネスユニットは、オンコロジー、免疫、希少疾患、ジェネラルメディスンの4つで構成され、社員数も700人超となった。日本での製品戦略は、同社のグローバル戦略品24製品のうち、7製品を現在扱っている。ムルテイラ社長は今後の日本戦略について、「今後は12の新規化合物、38の適応症を日本の患者に届けていくことで、将来にわたって重要なイノベーションもたらしていきたい」と抱負を述べた。

◎ゴードン上級副社長 グローバル開発製品も米国と近い期間で日本にローンチさせたい

米アムジェンでコマーシャル部門の最高責任者を務めるゴードン上級副社長は、日本市場について、「非常に優先順位の高い成長市場だ」と評価。その上で「新薬開発の際には常に日本市場はデフォルトで含まれている。開発中の製品についても米国と近い期間で日本でも出したいと考えている」と日本市場を重要視する姿勢を訴えた。

◎11月上市の活動性甲状腺眼症・テッペーザ 「患者さんに変革的な影響をもたらす」

記者会見では11月に上市されたテッペーザの紹介もあった。テッペーザはインスリン様成長因子1受容体(IGF-1R)阻害薬で、効能・効果は「活動性甲状腺眼症」。甲状腺眼症(TED)は希少な自己免疫疾患で、多くはバセドウ病に伴ってみられる。症状にはドライアイや上眼瞼後退、眼球突出などがある。

国内第3相臨床試験では、中等症から重症の活動性甲状腺眼症患者54例を対象に実施。テッペーザを3週間間隔で24週間投与した時のプラセボに対する優越性を検証し、安全性を検討した。主要評価項目の投与24週時の眼球突出奏効率(試験眼の眼球突出がベースラインから2ミリ以上減少し、かつ僚目の眼球突出に悪化が認められない患者の割合)では、テッペーザ群(n=27)が88.9%、プラセボ群(n=27)が11.1%で、統計学的な有意差をもって有効性が示された(群間差:77.78%(95%CI:60.7-94.8)、p<0.0001)。副作用では、高血糖や聴覚障害、注入に伴う反応があり、聴覚障害については「投与前後の聴力検査を必須として、先生方に安全に投与いただくことをお願いしている」とした。

同社の平方利幸執行役員・希少疾患事業部長は24年の見通しとして、「40~50人程度の患者に届ける」と説明。さらに今後は「非活動性甲状腺眼症」の効能追加も見据えているというという。ゴードン上級副社長も「米国でも多くの人々の役に立っており、患者さんに変革的な影響をもたらすものになる」と強調した。
 
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