モデルナ コロナとインフル混合ワクチン グローバルで年内に承認申請へ 日本はP3開始予定
公開日時 2024/09/20 04:52
モデルナ・ジャパンは9月19日、新型コロナとインフルエンザの混合ワクチン「mRNA-1083」をグローバルで2024年に承認申請する予定と発表した。これは米国本社が12日(現地時間)に開催した年次R&D Dayで明らかにしたもの。他の製薬企業からコロナとインフルの混合ワクチンを承認申請したとの発表はない模様で、mRNA-1083が初の申請となる可能性がある。日本では年内に第3相試験を開始する予定。
同社によると、mRNA-1083は、インフルエンザワクチンと新型コロナワクチンを同時接種した場合と比較して、「安全性および反応原性プロファイルも許容範囲内であることが確認された」という。24年に承認申請を行う予定で、優先審査を利用する計画だとしている。米国本社は、mRNA-1083がビジネスによりインパクトを与える可能性があるとみており、リソースを集中している。
新型コロナ関係では、基本的に冷蔵保存となる次世代型新型コロナワクチン「mRNA-1283」も24年にグローバルで承認申請する予定。mRNA-1283は冷蔵条件での安定性が強化され、プレフィルドシリンジとなっている。mRNA-1283も優先審査を利用する計画。日本も第3相試験を実施しているが、グローバルの年内申請に日本も含まれているかは「開示していない」(モデルナ・ジャパン広報部)としている。
◎バンセルCEO 「世界全体、国全体でワクチン接種率を向上させる努力を続ける必要ある」
米国本社のステファン・バンセルCEOは年次R&D Dayで、新型コロナ感染症について、「春に終了したシーズン(65歳以上の23/24年シーズン)だけを見ても、新型コロナの入院率がインフルエンザと比較して非常に非常に高く、興味深いのは新型コロナで入院した人の約95%が、ワクチンの年次更新を受けた記録がなかったということだ」と指摘した。
そして新型コロナでは、ワクチン接種によって高齢者やハイリスク者などの発症や入院を減らせるとし、「私たちは公衆衛生の指導者や医師たちとともに、世界全体、そして国全体でワクチン接種率を向上させる努力を続ける必要がある」と強調。引き続きワクチン接種率向上の取り組みに注力していく構えをみせた。
バンセルCEOは、65歳以上で7日間入院した場合、筋肉量の約10%が失われ、筋肉量が10%減少すると約30%の人が入院後のQOLや自立度が低下すると指摘。さらに、入院した人の約30%が6カ月以内に再入院し、うち約20%が入院後6カ月で死亡しているとのデータを引き合いに、「入院は、患者本人や家族に大きな医療的影響を与える」との認識を示した。