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大塚製薬 災害薬事のスペシャリスト育成へ 全国で養成プログラム開催 21地域で参加者延べ約2000人

公開日時 2024/09/04 04:52
大地震や台風、豪雨などの被害が日本各地で相次ぐ中、地域における災害時の薬事体制整備が求められている。大塚製薬は2021年から地元薬剤師会を中心に自治体や医師などと連携した「大塚災害薬事サポーター養成プログラム」を開催。セミナーを通じて過去の大規模災害での事例を交えながら災害医療の実態や対応を紹介し、薬剤師のスキルアップや災害薬事のスペシャリスト育成に取り組んでいる。

「発災直後からいかに医薬品の供給体制を整えるのか。事前の備えもなかなか想定通りにならない中で、被災状況を把握して臨機応変に判断する体制が重要だ」。8月29日夜、横浜市で開かれた「薬剤師のための災害医療スキルアップセミナー」。集まった地元薬剤師約260人を前に、日本災害医療薬剤師学会の渡邉暁洋会長(兵庫医科大危機管理医学講座特任助教、薬剤師)が呼び掛けた。

◎日本災害医療薬剤師学会・渡邉会長 災害時の旗振り役担う「災害薬事コーディネーター」不可欠

講演で渡邉氏は、災害時に医薬品の供給や薬剤師の配置などの調整役として薬剤師が担う「災害薬事コーディネーター」の重要性を強調。厚労省も保健医療福祉調整本部の構成員として位置付けており、地域ごとの人材育成や薬剤師全体のスキルの底上げが急務とされる。渡辺氏は「どこの薬局が被災し、医薬品はどこにあるのか。災害時に適切な医薬品供給を行うには地域全体を見渡して情報共有ができるコーディネーターが不可欠だ」と訴えた。

◎横浜市薬剤師会 セミナーには行政や医師なども登壇 多職種連携で備え進める

セミナーには薬剤師だけでなく災害対応を担う横浜市の担当者や、能登地震などで災害医療対応を経験した医師も登壇。災害救助法に基づく災害処方箋の取り扱いや、被災者への聞き取りに基づいて薬剤処方の優先度を判断する薬事トリアージなど、災害時の薬剤師に求められる知識や役割の紹介もあった。

主催した横浜市薬剤師会では、これまでも薬剤師会単体で災害対策の研修会を行っていた。一方で、ダイヤモンドプリンセス号の新型コロナ対応や災害被災地派遣なども経験し、薬剤師だけでなく、地元行政や医師なども含めた多職種連携の中でさらに取り組みを深めようと、大塚製薬とともに養成プログラムを企画して進めている。企画に携わった市薬剤師会の日向彰災害対策委員長は「災害で助かったにもかかわらず、普段使っている薬が届かないことで患者さんが亡くなることはあってはならない。日頃から災害への備えを進め、関係機関との連携や患者さんとの関係づくりも深めていきたい」と話した。

◎大塚製薬の養成プログラム 全3回で受講者には修了証を発行

大塚製薬では、11年の東日本大震災を契機に、災害医療に関する取り組みを開始。その後も全国各地で大規模災害が頻発する中、20年から渡邉氏の協力を得て「大塚災害薬事サポーター養成プログラム」の作成に着手した。プログラムの軸になる災害医療セミナーは主に市町村単位で21年から始まり、全3回の構成で受講者には修了証を発行する。これまでのセミナー実績は21地域、参加者延べ約2000人に上る。同社医薬営業本部の山田成高地域包括推進部長は「各地域の薬剤師会や自治体、保健所などの関係構築を進め、地域にとって“なくてはならない企業”となれるよう目指していきたい」としている。
 
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