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AZ 免疫不全患者の新型コロナ予防薬・Sipavibartを承認申請

公開日時 2024/07/29 04:48
アストラゼネカは7月26日、免疫不全患者に対する新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の暴露前発症抑制を目的とする、長時間作用型モノクローナル抗体・Sipavibartを承認申請したと発表した。免疫不全患者では新型コロナのワクチン接種により十分な免疫応答が得られず、COVID-19に感染した場合、一般の人と比べて重症化率や死亡率が高いことが海外の大規模なリアルワールドエビデンス研究「INFORM」で確認されている。免疫不全患者に対するCOVID-19予防の新たな選択肢が求められている。

今回の申請は、第3相SUPERNOVA試験の結果に基づく。本試験により、免疫不全患者集団においてSipavibart投与群が対照群(チキサゲビマブ/シルガビマブまたはプラセボ)と比較して、症候性COVID‐19の発症率を統計学的に有意に低下させた。免疫不全患者集団には、血液がん患者、臓器移植レシピエント、透析を要する末期腎不全患者、B細胞枯渇療法を受けてから1年以内の患者、免疫抑制剤を使用中の患者が含まれる。

Sipavibart(開発コード:AZD3152)は、スパイクタンパク質と宿主受容体ACE2との相互作用を中和することで、オミクロン株や従来株に対して幅広く強力な効果を発揮するようデザインされている。Sipavibartは新型コロナウイルス感染後の回復期患者により提供されたB細胞に由来する。

日本移植学会の小野稔理事長(東京大学医学部附属病院心臓外科教授)は、「臓器移植患者さんは免疫抑制下にあることから、COVID-19感染による重症化率や死亡率が一般人と比較して高いことが知られている」とした上で、「今後も臓器移植後患者はワクチン接種の継続や抗体製剤などによる防御、また一般的なマスク、手洗い、人ごみを避けるなどの感染予防策の継続が重要だと考えている。今後、予防に対する選択肢が増えることに期待している」とコメントした。

日本免疫不全・自己炎症学会の金兼弘和副理事長(東京医科歯科大学大学院小児地域成育医療学講座教授)は、原発性免疫不全症候群の患者は感染症に罹りやすく、重症化しやすいとした上で、「これらの患者さんはCOVID-19が5類感染症に移行後もいまだ脅威であることに変わりなく、引き続き生活の制限を余儀なくされている」と指摘。そして、「変異株が進化し続ける状況の中、既存の変異株に効果があるSipavibartを次の変異株の流行前になるべく早く導入する必要があると考える。このようなワクチン以外の予防薬として新たな選択肢が増えることは重要」だとし、世界に遅れることなく日本でも早期に使用可能になることを期待するとコメントした。
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