MSD 抗PD-1抗体・キイトルーダ 悪性胸膜中皮腫に対する化学療法との併用療法を一変申請
公開日時 2024/07/03 04:48
MSDは7月1日、がん免疫療法薬の抗PD-1抗体・キイトルーダ点滴静注について、切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫に対する化学療法との併用療法を一変申請したと発表した。海外の多施設共同非盲検無作為化第2/3相試験であるKEYNOTE-483試験、および国内の単群多施設共同非盲検非無作為化第1b相試験であるKEYNOTE-A17試験のデータに基づく。
肺あるいは胸腔を覆う膜に発生する悪性胸膜中皮腫は、悪性中皮腫の中で最も多く、80~90%弱を占めるとされる。悪性中皮腫発生の主な原因としてアスベストの曝露が知られている。日本では、1950年代から70年代の高度経済成長期にアスベストが大量に使用される一方、アスベスト曝露開始から発症までの潜伏期間が25~50年とされていることから、日本における悪性中皮腫の発生ピークは2030年頃、罹患者数は年間3000人と予測されている。
ほとんどの悪性胸膜中皮腫患者の予後は不良で、切除可能な段階で診断されるのは10~15%程度。悪性胸膜中皮腫の治療における医療ニーズは依然として高く、新たな治療選択肢が必要とされている。