米FDA 世界初RSVワクチンArexvyを承認
公開日時 2023/05/19 04:49
米食品医薬品局(FDA)は5月3日、英グラクソ・スミスクライン(GSK)傘下GlaxoSmithKline Biologicals社のRSV(呼吸器合胞体ウイルス)ワクチンArexvyについて60歳以上の成人におけるRSVによって引き起こされる下気道疾患の適応で承認した。同疾患へのワクチンはなく、Arexvyが世界初のRSVワクチンとなった。
FDAのPeter Marks医薬品評価研究センター(CDER)長は、高齢者、特に心疾患や肺疾患
患者、免疫機構が弱まっている人などはRSVによって引き起こされる重症疾患の高いリスクにさらされていると指摘。「本日の初めてのRSVワクチンの承認は、生命を脅かす疾患を予防する重要な公衆衛生上における成果であり、FDAが継続して米国で使用される安全かつ有効なワクチンの開発促進に取り組んでいることを浮き彫りにするものだ」と話した。
FDAは、同ワクチンについて、優先審査の指定を行っていた。
GSKのTony Wood最高科学責任者(CSO)は、同ワクチンがGSKの業界をリードするワクチンポートフォリオを拡大するものとの認識を示し、「我々は、米国の高齢者が可能な限り早くワクチンへのアクセスを保障することと、他国での承認審査を迅速化させることに焦点を当てている」と話した。
GSKによると、ACIP(米予防接種諮問委員会)は、6月に同ワクチンの接種推奨について勧告を行う予定で、冬に入る前の2023年/2024年RSVシーズン前には接種が可能となるという。
RSVは、全年齢において高度に伝染性が高い肺および気道の感染症を引き起こす。RSVは季節性で、通常秋に流行が開始され、冬にピークを迎える。高齢者にとって、生命を脅かす肺炎や細気管支炎を起こす下気道疾患(LRTD)の一般的な原因である。CDC(米国感染症管理予防センター)によると、米国では毎年、RSV感染で高齢者6万人から9万人が入院し、6000人から1万人が死亡している。
【訂正】タイトルの製品名に誤りがありました。訂正します(2023年5月19日)