住友ファーマ 23年3月期に減損205億円計上で今期末減配 AML治療薬候補開発中止で
公開日時 2023/03/06 04:50
住友ファーマは3月3日、2023年3月期において、減損損失を 205 億円(1億5200万米ドル)計上すると発表した。あわせて、23年3月期末の1株当たり配当金を従来予想の14円から7円に減配すると発表した。急性骨髄性白血病(AML)を対象としたフェーズ 1/2 試験(外部研究機関主導治験)が中止となった後、開発方針検討中であった TP-0903(dubermatinib)について、開発を継続しないことを決定したため。同開発品についての仕掛研究開発を全額減損とした。
TP-0903はAXL受容体チロシンキナーゼ阻害剤で、2017年に米バイオベンチャー・Tolero Pharmaceuticals,Inc.の買収に伴って獲得した候補物質。同社は減配について、「23年3月期は、複数品目において販売不振および開発不成功に伴う減損損失を計上した結果、営業利益および親会社の所有者に帰属する当期利益は、多額の損失を計上する見込みとなった」と説明。「早期の業績開発に努める」としている。
なお、「北米がん領域に帰属するのれんの回収可能性について評価中であることなどから、他の業績変動要素も合わせて 2023 年 3 月期連結業績予想の修正が必要と判明した場合には速やかに開示する」としている。