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住友化学主導で再生・細胞医薬を事業化 CDMO事業会社の持分比率66.6%に拡大 住友ファーマは33.4%

公開日時 2024/10/01 04:50
住友化学と住友ファーマは9月30日、再生・細胞医薬分野の製法開発・製造などの受託(CDMO)事業を行う合弁会社「S-RACMO(エスラクモ)」への出資比率を10月1日付で変更し、住友化学の持分比率を49%から66.6%に高め、S-RACMOの事業運営を主導することで合意したと発表した。これによりS-RACMOの住友ファーマの持分比率は51%から33.4%となる。

住友化学は、S-RACMOへの出資比率の変更にあたり、「本件は再生・細胞医療のCDMO事業の早期育成に対する住友化学のコミットメントを示すものであり、今後、住友化学が主導することで、現在S-RACMOが建設中の再生・細胞医薬製造新棟活用、米国進出などを加速していく」としている。

◎再生・細胞医薬事業の新会社も「住友化学がマジョリティを持つことになる方針」

また、両社は再生・細胞医薬事業の日米での展開加速などを目的とする新会社を24年中に共同で設立する計画だが、住友ファーマ広報部はこの日、本誌取材に、「(新会社の)持分比率は未定だが、住友化学がマジョリティを持つことになる方針」だと明らかにした。住友ファーマが注力してきた再生・細胞医薬事業は住友化学の主導で進めることが鮮明になってきた。

住友ファーマは23年度に1330億円のコア営業損失、3150億円の純損失を計上するなど未曾有の危機に立たされている。24年度のコア営業利益の黒字化は必達目標で、このために24年度の研究開発費は前年度比409億円減の500億円としたほか、国内では早期退職者約700人を募集(当初計画の募集期間:9月17日~10月11日)するなどスリム化を進めている。

一方、住友ファーマは再生・細胞医薬事業において、iPS細胞を用いた細胞製品開発のフロントランナーであり、世界初のiPS細胞由来製品の上市を目指している。ただ、本事業には年間100億円の開発費がかかるほか、主戦場は米国となる。事業化の加速や競争優位性を保つためには継続した投資が不可欠なため、相当なスリム化・コスト削減が求められている住友ファーマの主導ではなく、住友化学主導で事業化を進めることを決定したといえそうだ。
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