ノボ ノルディスクの肥満症治療薬・ウゴービ皮下注など3製品審議へ 1月27日の薬食審・第一部会で
公開日時 2023/01/16 04:49
厚生労働省は1月27日に薬食審・医薬品第一部会を開き、ノボ ノルディスク ファーマの肥満症治療薬・ウゴービ皮下注(一般名:セマグルチド(遺伝子組換え))など3製品を審議する。ウゴービは、同社の既承認の2型糖尿病治療薬・オゼンピックと同成分だが、医療上の使用環境の違いを考慮して別の製品名にする。
このほかの審議品目には、ファイザーのプレセデックス静注液に「小児の非挿管での非侵襲的な処置及び検査時の鎮静」との新規小児適応を追加がある。これは2022年10月28日の同部会で継続審議となったもので、今回、再度審議を行う。武田薬品の潰瘍性大腸炎の維持療法を対象疾患とするエンタイビオ皮下注製剤の承認可否も審議する。エンタイビオには現在、点滴静注製剤があるが、今回、皮下注製剤を追加する。なお、この日の部会では報告品目はない。
【審議予定品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
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ウゴービ皮下注0.25mgSD、同皮下注0.5mgSD、同皮下注1.0mgSD、同皮下注1.7mgSD、同皮下注2.4mgSD(セマグルチド(遺伝子組換え)、ノボ ノルディスク ファーマ):「肥満症 ただし、高血圧、脂質異常症又は2型糖尿病のいずれかを有し、食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られず、以下に該当する場合に限る。・BMIが27kg/m2以上であり、2つ以上の肥満に関連する健康障害を有する、・BMIが35kg/m2以上」を対象疾患とし、0.25mgSD、0.5mgSD、1.0mgSDは新効能・新用量・その他に係る医薬品。1.7mgSD、2.4mgSDは新効能・新用量・剤形追加に係る医薬品。
週1回皮下投与のGLP-1アナログ。厚労省によると、ウゴービ皮下注0.25mgSD、同0.5mgSD、同1.0mgSDと同一成分・同一規格の製品として2型糖尿病治療薬・オゼンピック皮下注0.25mgSD、同0.5mgSD、同1.0mgSDがあるが、医療上の使用環境の違いなどを考慮して別の製品名とする。ウゴービ皮下注1.7mgSDと同2.4mgSDは、オゼンピック皮下注SDにはない規格となる。
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プレセデックス静注液200μg「ファイザー」、同静注液200μg/50mLシリンジ「ファイザー」(デクスメデトミジン塩酸塩、ファイザー):「小児の非挿管での非侵襲的な処置及び検査時の鎮静」を対象疾患とする新効能・新用量医薬品。特定用途医薬品。
α2作動性鎮静剤。22年10月28日の薬食審・医薬品第一部会では、他の鎮静剤を併用した際の相互作用の情報などを整理する必要があると判断され、継続審議となった
(記事はこちら)。
今回の小児適応は、日米で実施した国際共同第3/4相二重盲検比較試験の結果などに基づき申請された。同試験はMRI検査時に鎮静を必要とする生後1カ月以上17歳未満の小児患者を対象とし、対象患者をデクスメデトミジンの3つの投与量(低用量群、中用量群,高用量群)のいずれかに無作為に割り付け、MRI検査時の鎮静におけるデクスメデトミジンの有効性と安全性を評価した。
同剤が指定されている特定用途医薬品は、医療上のニーズが著しく満たされていない医薬品の開発促進を図るため20年9月に創設された制度で、小児や薬剤耐性(AMR)感染症の医薬品が対象となる。特定用途医薬品に指定された場合、PMDA相談や審査で優先的に扱われる。
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エンタイビオ皮下注108mgペン、同皮下注108mgシリンジ(ベドリズマブ(遺伝子組換え)、武田薬品):「中等症から重症の潰瘍性大腸炎の維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)」を対象疾患とする新投与経路医薬品。
ヒト化抗ヒトα4β7インテグリンモノクローナル抗体製剤。既承認のエンタイビオ点滴静注用の効能・効果は、▽中等症から重症の潰瘍性大腸炎の治療及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)、▽中等症から重症の活動期クローン病の治療及び維持療法(同)――となっている。