新薬17成分 11月20日収載へ タスフィゴとアセノベルに迅速導入加算 5製品でピーク時100億円以上
公開日時 2024/11/14 06:00
中医協総会は11月13日、新薬17成分19品目の薬価収載を了承した。収載日は11月20日。イノベーション評価が充実された2024年度薬価制度改革で新設された迅速導入加算は、エーザイ創製の胆道がんに対するFGFR1/2/3阻害薬・タスフィゴ錠と、ノーベルファーマの「縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチーにおける筋力低下の進行抑制」を効能・効果とするアセノベル徐放錠の2製品に適用された。5製品でピーク時売上が100億円以上と予想された。
タスフィゴは、国際共同治験により開発され、優先審査の対象であり、かつ日本における承認申請及び承認は欧米より早いことから、迅速導入加算の要件を満たした。国際共同治験における日本人症例数が比較的多いことも評価され、加算率は10%となった。同剤は希少疾病用医薬品に指定されていることから市場性加算(I)(A=10%)も適用され、算定薬価は35mg1錠が1万5378.70円(加算前1万2815.60円)となった。
アセノベルは日本以外の国と同時に臨床試験を実施して開発され、優先審査の対象であり、かつ欧米では承認申請及び承認されていない品目であることから迅速導入加算の要件を満たし、5%の加算が付いた。有用性加算(I)(A=45%)なども適用され、算定薬価は500mg1錠2886.20円(加算前:1803.90円)となった。同剤は3月に承認を取得し、5月及び8月の収載をスキップしていた。
◎ピーク時売上予想 ケサンラは796億円 テッペーザは494億円
ピーク時売上予想が100億円以上の製品は、▽アルツハイマー病治療薬・ケサンラ点滴静注液(日本イーライリリー、796億円)、▽活動性甲状腺眼症治療薬・テッペーザ点滴静注用(アムジェン、494億円)、▽不眠症治療薬・クービビック錠(MSD、199億円)、▽糖尿病治療薬・アウィクリ注(ノボ ノルディスク ファーマ、131億円)、▽肺動脈性肺高血圧症治療薬・ユバンシ配合錠(ヤンセンファーマ、107億円)――の5製品あった。
◎テッペーザとファダプス 原価開示度50%未満で加算ゼロ
テッペーザは新規作用機序医薬品で臨床試験成績から中等度から重度の活動性甲状腺眼症(TED)に対して臨床的に意義のある改善が示されたことなどから有用性加算(I)(A=45%)や、希少疾病用医薬品のため市場性加算(I)(A=10%)が適用されたが、製造原価開示度50%未満ということで加算ゼロとなり、薬価に加算分が反映されなかった。
「ランバート・イートン筋無力症候群の筋力低下の改善」を効能・効果とするファダプス錠(ダイドーファーマ)も市場性加算(I)(A=10%)や有用性加算(II)(A=5%)が適用されたが、テッペーザと同じ理由で、薬価に加算分が反映されなかった。
11月20日付で収載される製品は以下のとおり(カッコ内は成分名と薬価収載希望会社)。投与経路・薬効分類順。
▽クービビック錠25mg、同錠50mg(ダリドレキサント塩酸塩、ネクセラファーマジャパン)
薬効分類:119 その他の中枢神経系用薬(内用薬)
効能・効果:不眠症
薬価:
25mg1錠 57.30円
50mg1錠 90.80円(1日薬価:90.80円)
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数118万人、販売金額199億円
加算:なし
新薬創出等加算:該当しない
費用対効果評価:該当しない
デュアルオレキシン受容体拮抗薬(DORA)。覚醒を促す神経ペプチド(オレキシン)の受容体(OX1R及びOX2R)への結合を選択的に阻害し、過剰な覚醒状態を抑制し睡眠状態へと移行させることで効果の発揮が期待できる。
ネクセラファーマジャパン(旧イドルシア ファーマシューティカルズ ジャパン)と持田製薬が共同開発した。塩野義製薬が独占的に流通・販売を担う。
▽ファダプス錠10mg(アミファンプリジンリン酸塩、ダイドーファーマ)
薬効分類:129 その他の末梢神経系用薬(内用薬)
効能・効果:ランバート・イートン筋無力症候群の筋力低下の改善
薬価:10mg1錠 3848.70円
市場予測(ピーク時9年後):投与患者数205人、販売金額10億円
加算:
有用性加算(II)(A=5%):「本剤は国内外の診療ガイドラインで治療の第一選択として推奨されていることから、有用性加算(II)(A=5%)を適用することが適当と判断した」
市場性加算(I)(A=10%):「本剤は希少疾病用医薬品に指定されていることから、加算の要件を満たす」
なお、製造原価開示度50%未満のため、加算係数はゼロ。
新薬創出等加算:該当する(主な理由:希少疾病用医薬品として指定)
費用対効果評価:該当しない
経口のK+(カリウムイオン)チャネル阻害薬。神経筋接合部の前シナプス膜にある膜電位依存性 K+チャネルを阻害することで、細胞膜の脱分極を引き起こし、膜電位依存性 Ca2+(カルシウムイオン)チャネルを開口させる。そして、細胞内へのCa2+の流入を促進することにより、アセチルコリンを含むシナプス小胞のエキソサイトーシスを誘発し、シナプス末端からシナプス間隙へのアセチルコリンの放出を促進、神経-筋伝達を向上させることで筋肉の機能を改善すると考えられている。
ダイドーファーマは缶コーヒーなどを手掛けるダイドーグループホールディングスの100%子会社で、希少疾病用医薬品に着目した事業を展開している。
▽アセノベル徐放錠500mg(アセノイラミン酸、ノーベルファーマ)
薬効分類:190 その他の神経系及び感覚器官用医薬品(内用薬)
効能・効果:縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチーにおける筋力低下の進行抑制
薬価:500mg1錠 2886.20円
市場予測(ピーク時3年後):投与患者数193人、販売金額9.8億円
加算:
有用性加算(I)(A=45%):「本剤はシアル酸を補充することにより効果を示すことが期待されている新規作用機序の薬剤であること、対象疾患は国内外において治療法が存在しない重篤な疾患であること、また、本剤は補充療法であり他に治療法がないことから標準的治療法となると考えられることから、有用性加算(I)(A=45%)を適用することが適当と判断した」
市場性加算(I)(A=10%):「本剤は希少疾病用医薬品に指定されていることから、加算の要件を満たす」
迅速導入加算(A=5%):「本剤は日本以外の国と同時に臨床試験を実施して開発され、優先審査の対象であり、かつ欧米では承認申請及び承認されていない品目であることから、加算の要件を満たす」
新薬創出等加算:該当する(主な理由:希少疾病用医薬品として指定)
費用対効果評価:該当しない
本適応を持つ世界初の治療薬。有効成分のアセノイラミン酸はシアル酸の一種。縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー(GNEミオパチー)で足りなくなったシアル酸を補うため経口投与可能な薬剤として開発された。
GNEミオパチーは、多くは10代後半から30代にかけて出現し、体幹から離れた部位から筋肉が萎縮、変性し、次第に体の自由が奪われていく希少疾病。国内患者数は、厚労省の難治性疾患克服研究事業の平成21年度の報告書において、167~345人と推定されている。
▽ビルタサ懸濁用散分包8.4g(パチロマーソルビテクスカルシウム、ゼリア新薬)
薬効分類:219 その他の循環器官用薬(内用薬)
効能・効果:高カリウム血症
薬価:8.4g1包 949.50円(1日薬価:1517.90円)
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数18.6千人、販売金額40億円
加算:なし
新薬創出等加算:該当しない
費用対効果評価:該当しない
ナトリウムを含まない陽イオン結合非吸着性ポリマー。経口で服用すると腸管内で過剰なカリウムを結合して便とともに排泄され、高カリウム血症を改善する。1日1回の服用で、必要な水の量が少なくて済むことが特長。
▽ユバンシ配合錠(マシテンタン/タダラフィル、ヤンセンファーマ)
薬効分:219 その他の循環器官用薬(内用薬)
効能・効果:肺動脈性肺高血圧症
薬価:1錠 1万3334.90円(1日薬価:1万3334.90円)
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数2.5千人、販売金額107億円
加算:なし
新薬創出等加算:該当しない
費用対効果評価:該当しない
エンドセリン受容体拮抗薬・マシテンタン10mgとホスホジエステラーゼ5阻害薬・タダラフィル40mgとの固定用量配合剤。14日間の処方日数制限は適用しない。
肺動脈性肺高血圧症(PAH)の治療では、症状をコントロールするため、作用機序の異なる複数の治療薬を併用することがある。今回2つの治療薬を配合剤とすることで、PAH患者に新たな治療選択肢を提供するだけでなく、服薬の負担軽減という患者ニーズにも応える。
▽アリッサ配合錠(エステトロール水和物/ドロスピレノン、富士製薬)
薬効分類:248 混合ホルモン剤(内用薬)
効能・効果:月経困難症
薬価:1シート 5056.80円(1日薬価:180.60円)
市場予測(ピーク時6年後):投与患者数186千人、販売金額75億円
加算:なし
新薬創出等加算:該当しない
費用対効果評価:該当しない
天然型エストロゲンのエステトロール(E4)を新規成分として含有する。エステトロールは、エストロゲンの受容体に選択的に作用することが確認されている。
用法・用量は、「1日1錠を毎日一定の時刻に定められた順に従って(ピンク色錠から開始する)28日間連続経口投与する。以上28日間を投与1周期とし、出血が終わっているか続いているかにかかわらず、29日目から次の周期の錠剤を投与し、以後同様に繰り返す」。なお、疾患や製剤上の特性、14日間を超える投薬における安全性が確認されていることから、例外的に処方日数制限を14日間ではなく30日間として取り扱う。
エムスリーと共同開発した。富士製薬のMRによる情報収集・提供活動に加え、エムスリーが提供する「MR君」やWeb講演会などのe-プロモーションサービスによる営業支援、m3.com医師会員のインサイトやビッグデータを活用したマーケティング支援を行う。
▽ルプキネスカプセル7.9mg(ボクロスポリン、大塚製薬)
薬効分類:399 他に分類されない代謝性医薬品(内用薬)
効能・効果:ループス腎炎
薬価:7.9mg1カプセル 778.60円
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数3.2千人、販売金額23億円
加算:有用性加算(II)(A=5%):「本剤の臨床試験において、既存の標準的な一次治療に対する本剤の上乗せ効果が示されたことから、有用性加算(II)(A=5%)を適用することが適当と判断した」
新薬創出等加算:該当する(主な理由:加算適用)
費用対効果評価:該当しない
経口免疫抑制薬。T細胞の増殖・活性化に重要な酵素であるカルシニューリンを阻害することで免疫抑制作用およびポドサイト(糸球体上皮細胞)の保護効果を発揮する。
ループス腎炎に対し副腎皮質ステロイドが標準治療で、ミコフェノール酸モフェチルなどの免疫抑制剤を併用する場合がある。タンパク尿を伴う糸球体腎炎の速やかな寛解達成と、その後の副腎皮質ステロイドの減量が課題となっている。
▽オータイロカプセル40mg(レポトレクチニブ、ブリストル・マイヤーズ スクイブ)
薬効分類:429 その他の腫瘍用薬(内用薬)
効能・効果:ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん
薬価:40mg1カプセル 3468.30円(1日薬価:2万7746.40円)
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数253人、販売金額21億円
加算:なし
新薬創出等加算:該当しない
費用対効果評価:該当しない
ROS1阻害薬。ATP競合性のROS1、TRK A/B/Cを選択的に阻害する経口の低分子チロシンキナーゼ阻害薬で、ROS1またはNTRK融合遺伝子を有するがん細胞の増殖を抑制する。NSCLCは肺がん全体の約85%を占め、その約1~2%が制御不能な細胞増殖をもたらすROS1遺伝子変異を特徴とするROS1融合遺伝子陽性疾患とされている。
▽タスフィゴ錠35mg(タスルグラチニブコハク酸塩、エーザイ)
薬効分類:429 その他の腫瘍用薬(内用薬)
効能・効果:がん化学療法後に増悪したFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道がん
薬価:35mg1錠 1万5378.70円(1日薬価:6万1514.80円)
市場予測(ピーク時3年後):投与患者数51人、販売金額3.6億円
加算:
市場性加算(I)(A=10%):「本剤は希少疾病用医薬品に指定されていることから、加算の要件を満たす」
迅速導入加算(A=10%):「本剤は国際共同治験により開発され、優先審査の対象であり、かつ本邦における承認申請及び承認は欧米より早いことから、加算の要件を満たす。国際共同治験における日本人症例数が比較的多いことを踏まえ、加算率は10%が妥当である」
新薬創出等加算:該当する(主な理由:希少疾病用医薬品として指定)
費用対効果評価:該当しない
経口投与のFGFR1、FGFR2、FGFR3選択的チロシンキナーゼ阻害剤。エーザイが創製した。日本の胆道がん患者数は約2.5万人と推計されており、FGFR2融合遺伝子は、胆道がんの15~30%を占める肝内胆管がんの約14%に認められているという。
国内においてFGFR阻害剤は、21年6月発売のインサイト社のペマジール錠と、23年9月発売の大鵬薬品のリトゴビ錠に続く3剤目で、先行2剤も「がん化学療法後に増悪したFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道がん」の適応を持っている。
▽フリュザクラカプセル1mg、同カプセル5mg(フルキンチニブ、武田薬品)
薬効分類:429 その他の腫瘍用薬(内用薬)
効能・効果:がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん
薬価:
1mg1カプセル 5139.40円
5mg1カプセル 2万3866.90円(1日薬価:1万7900.20円)
市場予測(ピーク時7年後):投与患者数1.6千人、販売金額25億円
加算:有用性加算(II)(A=5%):「本剤は、化学療法歴があり、トリフルリジン・チピラシル塩酸塩又はレゴラフェニブに不応又は不耐の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん患者において、主要評価項目のOSについてプラセボ群に対する本剤群の優越性が検証されていることから、有用性加算(II)(A=5%)を適用することが適当と判断した」
新薬創出等加算:該当する(主な理由:加算適用)
費用対効果評価:該当しない
VEGFR1/2/3に対する選択性を有する経口チロシンキナーゼ阻害薬であり、腫瘍における血管新生を阻害することにより腫瘍増殖抑制作用を示す。承認は前治療歴を有する転移性大腸がんを対象にフルキンチニブ+最良支持療法(BSC)群とプラセボ+BSC群を比較検討した国際共同第3相FRESCO-2試験等の結果に基づく。同試験に参加した日本人の治療抵抗性・転移性大腸がんにおける死亡リスクは58%減少した。
武田薬品は23年1月に中国HUTCHMED社から中国を除く全世界を対象とした開発・商業化権を獲得した。
▽ケサンラ点滴静注液350mg(ドナネマブ(遺伝子組換え)、日本イーライリリー)
薬効分類:119 その他の中枢神経系用薬(注射薬)
効能・効果:アルツハイマー病による軽度認知障害及び軽度の認知症の進行抑制
薬価:350mg20mL1瓶 6万6948円(1日薬価:8560円)
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数2.6万人、販売金額796億円
加算:有用性加算(II)(A=5%):「本剤は、投与を18か月間継続する比較薬と異なり、添付文書において、投与期間が原則18か月間とされた上で、投与開始後12か月を目安に行われる評価で、アミロイドβプラーク除去が確認された場合は投与を完了することとされていることから、有用性加算(II)(A=5%)を適用することが適当と判断した」
新薬創出等加算:該当する(主な理由:加算適用)
費用対効果評価:該当する(H1)
N3pGAβ(N末端第3残基においてピログルタミル化されたアミロイドβ)に対する遺伝子組換えモノクローナル抗体。脳内に沈着したアミロイドプラークを特異的に標的とし、プラークの除去をもたらす。これによりアルツハイマー病(AD)による認知機能や日常生活機能の悪化の遅延をもたらす。同様の臨床的意義を持つ薬剤には23年9月に承認された早期AD治療薬・レケンビ点滴静注(一般名:レカネマブ)があり、同剤は2剤目となる。
ケサンラの用法・用量は、「通常、成人にはドナネマブ(遺伝子組換え)として1回700mgを4週間隔で3回、その後は1回1400mgを4週間隔で、少なくとも30分かけて点滴静注する」。
ケサンラはアミロイドPET検査や脳脊髄液検査によって脳内のアミロイドベータの蓄積や濃度を検査し、投与の可否を判断する。検査はどちらを行っても良い。投与期間は原則18カ月までで、アミロイドプラークの除去が確認された場合は投与を完了する。投与開始から12カ月時点でアミロイドPET検査を行い、アミロイドプラークの除去の確認を求める。
また、ARIAのリスク管理のため、投与開始後にMRI検査を行うことも求める。なお、臨床試験におけるケサンラの安全性は、ARIA-E(脳の一部または複数の領域の一時的な浮腫)は24.0%、ARIA-H(微小出血または脳表ヘモジデリン沈着)は31.4%に認められた。
▽ロゼバラミン筋注用25mg(メコバラミン、エーザイ)
薬効分類:119 その他の中枢神経系用薬(注射薬)
効能・効果:筋萎縮性側索硬化症(ALS)における機能障害の進行抑制
薬価:25mg1瓶 1万425円
市場予測(ピーク時8年後):投与患者数1.3千人、販売金額27億円
加算:市場性加算(I)(A=10%):「本剤は希少疾病用医薬品に指定されていることから、加算の要件を満たす」
新薬創出等加算:該当する(主な理由:希少疾病用医薬品として指定)
費用対効果評価:該当しない
メコバラミンの高用量製剤。用法・用量は、「通常、成人には、メコバラミンとして50mgを1日1回、週2回、筋肉内に注射する」。メコバラミンのALSの病態における作用機序は解明されていないが、非臨床研究の結果から、神経保護作用、神経軸索再生作用により有効性を示す可能性が示唆されている。
▽テッペーザ点滴静注用500mg(テプロツムマブ(遺伝子組換え)、アムジェン)
薬効分類:139 その他の感覚器官用薬(注射薬)
効能・効果:活動性甲状腺眼症
薬価:500mg1瓶 97万9920円
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数3.4千人、販売金額494億円
加算:
有用性加算(I)(A=45%):「本剤はIGF-1受容体阻害作用を有する新規作用機序医薬品であること、投与対象は主に中等度から重度の活動性甲状腺眼症患者であり、臨床試験成績から当該対象に対して臨床的に意義のある改善が示されていること等から、有用性加算(I)(A=45%)を適用することが適当と判断した」
市場性加算(I)(A=10%):「本剤は希少疾病用医薬品に指定されていることから、加算の要件を満たす」
なお、製造原価開示度50%未満のため、加算係数はゼロ。
新薬創出等加算:該当する(主な理由:加算適用)
費用対効果評価:該当する(H1)
インスリン様成長因子1受容体(IGF-1R)阻害薬。甲状腺眼症(TED)は希少な自己免疫疾患で、その多くはバセドウ病に伴ってみられるが、後眼窩の細胞でIGF-1Rを介したシグナル複合体を活性化する自己抗体によって引き起こされる個別の疾患。これらが一連の症状につながり、失明など長期にわたる不可逆な損傷を引き起こす可能性がある。TEDの初期症状には、ドライアイ、異物感、充血、瞼の腫れ、過度の涙、眼瞼後退、眼球突出、目の奥の圧迫感や眼痛、複視などがある。
▽アウィクリ注フレックスタッチ総量300単位(インスリン イコデク(遺伝子組換え)
薬効分類:249 その他のホルモン剤(抗ホルモン剤を含む)(注射薬)
効能・効果:インスリン療法が適応となる糖尿病
薬価:300単位1キット 2081円(1日薬価:555円)
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数308千人、販売金額131億円
加算:
有用性加算(II)(A=5%):「本剤は、週1回投与の持効型インスリンであり、比較薬と比べて注射頻度の減少による患者負担の軽減が期待されることから、有用性加算(II)(A=5%)を適用することが適当と判断した」
新薬創出等加算:該当する(主な理由:加算適用)
費用対効果評価:該当する(H1)
週1回皮下投与の基礎インスリン製剤。1型及び2型糖尿病に使用できる。既存のレベミル注、トレシーバ注、ランタスXR注といった基礎インスリン製剤は、通常、1日1回皮下投与となっており、アウィクリは、投与回数を大幅に減らすことができ、利便性が高く、患者の治療負担感の軽減によって生活の質や治療実施率の向上が期待されている。
▽トロデルビ点滴静注用200mg(サシツズマブ ゴビテカン(遺伝子組換え)、ギリアド・サイエンシズ)
薬効分類:429 その他の腫瘍用薬(注射薬)
効能・効果:化学療法歴のあるホルモン受容体陰性かつHER2 陰性の手術不能又は再発乳がん
薬価:200mg1瓶 18万7195円(1日薬価:4万4570円)
市場予測(ピーク時5年後):投与患者数1.7千人、販売金額93億円
加算:有用性加算(I)(A=40%):「本剤は、適応患者を踏まえると新たにTROP-2をターゲットとすることに一定の意義があると考えられたこと、未承認薬検討会議で開発要望があり、申請者が米国会社の買収後に本邦での開発に着手し、ドラッグロス品目の着実な開発について一定の評価が可能であること、第3相試験において既存の化学療法群と比べて本剤群でOSの有意な延長が示されたことから、有用性加算(I)(A=40%)を適用することが適当と判断した」
新薬創出等加算:該当する(主な理由:加算適用)
費用対効果評価:該当する(H2)
90%以上の乳がんを含む複数のがん種で高発現する細胞表面抗原であるTrop-2タンパクを標的とする抗TROP2抗体トポイソメラーゼ I阻害剤複合体(ADC)。Trop-2が発現したがん細胞に取り込まれると、トポイソメラーゼI阻害剤を直接届けるとともに、周辺のがん細胞のDNAにも作用し、がん細胞を死滅させる。
▽ライブリバント点滴静注350mg(アミバンタマブ(遺伝子組換え)、ヤンセンファーマ)
薬効分類:429 その他の腫瘍用薬(注射薬)
効能・効果:EGFR遺伝子エクソン20挿入変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん
薬価:350mg7mL1瓶 16万14円(1日薬価:3万8099円)
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数416人、販売金額22億円
加算:有用性加算(II)(A=10%):「本剤は、米国NCCNガイドラインの記載等から標準的治療に位置づけられると考えられること、臨床試験において、カルボプラチンとペメトレキセドの併用群に対して、当該併用に本剤を上乗せした群で有効性が示されたこと等から、有用性加算(II)(A=10%)を適用することが適当と判断した」
新薬創出等加算:該当する(主な理由:加算適用)
費用対効果評価:該当しない
上皮成長因子受容体(EGFR)及び間葉上皮転換因子(MET)を標的とする二重特異性抗体。免疫担当細胞を介して抗腫瘍作用を発揮し、活性化及び抵抗性のEGFR変異、MET変異及び増幅を有する腫瘍を標的とする。
用法・用量は「カルボプラチン及びペメトレキセドナトリウムとの併用において、3週間を1サイクルとし、通常、成人には以下の用法及び用量で点滴静注する。なお、患者の状態により適宜減量する」となっており、体重80kg未満と80kg以上に分けて用量が設定されている。
▽セプトカイン配合注カートリッジ(アルチカイン塩酸塩/アドレナリン酒石酸水素塩、ジーシー昭和薬品):
薬効分類:271 歯科用局所麻酔剤(注射薬)
効能・効果:歯科領域及び口腔外科領域における浸潤麻酔又は伝達麻酔
薬価:1.7mL1管 191.20円
市場予測(ピーク時3年後):投与患者数120万人、販売金額2.3億円
加算:なし
新薬創出等加算:該当しない
費用対効果評価:該当しない