ヘルスケア関連の機器・サービス・システム市場 25年に1兆円超え 富士キメラ総研
公開日時 2021/10/15 04:52
富士経済グループの富士キメラ総研は10月14日、ヘルスケア関連の機器・サービス・システム市場が2025年に1兆円を超えるとの市場予測をまとめた。20年の市場規模は6463億円で、25年まで5年間の年平均成長率は10%を超えると分析した。
市場規模は今後、21年7336億円(前年比13.5%増)、22年8310億円(同13.3%増)、23年9195億円(同10.6%増)、24年9925億円(同7.9%増)、25年1兆731億円(同8.1%増)――と推移するとしている。
20年は、新型コロナ対策で需要が増えたヘルスケア関連の機器や、サービス・システムが多く、市場は前年比17.1%増と拡大した。21年以降は新型コロナ関連の特需は減少するものの、▽医療機関や法人需要の回復▽健康経営の意識の高まり▽自治体での第2期データヘルス計画による医療情報や健診情報などのデータ分析に基づく効果的な保健事業の推進――を背景に、企業、自治体、医療機関での健康状態モニタリングやバイタルデータの分析などを活用した機器、サービス・システムの需要が増加するとした。
◎ウェアラブル機器の伸びが市場をけん引
ヘルスケア関連のウェアラブル・機器(以下、機器)と、サービス・システムに分けて見ると、機器は20年の3903億円が25年に6798億円に拡大すると予測した。20年は新型コロナ対策でパルスオキシメーターや体温計などが大きく伸びた。21年以降はスマートウェアやスマートウォッチなどウェアラブル機器の伸びが市場をけん引するとしている。
サービス・システムは、20年の2561億円が25年に3934億円に拡大すると予測した。ウェアラブル機器から取得したバイタルデータと健診結果を連携させるサービスやAIによるデータ分析、体調のモニタリングサービスなどを導入する企業が増えているため、「特に従業員向け健康管理サービスや保健指導支援サービスなどが大きく伸びる」としている。