小野薬品 社員をベンチャー企業に出向 人材育成通じて組織力強化を狙う
公開日時 2021/10/05 04:50
小野薬品は10月1日、社員をベンチャー企業に出向させるプログラム「V2V (Voyage to Venture)」を開始した。前例のない事業に携わることも多く、決定のスピードも早い他業界のベンチャー企業に出向することで、社内ではできない経験を積み、社員の成長を促すことが狙い。帰任後は得られた経験を社内に還元することで、同社の組織力の強化につなげていきたい考え。
出向するのは、同社の30代から40代の社員5人。自薦他薦によるエントリーから志望動機の審査を経て選ばれた。出向先は、子ども食堂の企画開発を行うNPOや、教育を通じた地方創生に取り組む一般社団法人などで、いずれも製薬をはじめ医療には関係がない他業種となっている。出向期間は1年間。
同社では5月、企業価値を向上させ、持続的に成長していくために、イノベーション力を育む新たなプログラム「OIP(Ono Innovation Platform)」を開設している。ベンチャー企業への出向は、その一環として行われたもので、新たなイノベーション創出の源泉となる人財を育成していくことで、社員の挑戦を後押しするような企業風土づくりにつなげたい考え。
◎社内ビジネスコンテストを22年6月に開催へ
同社では、OIPの一環として社内ビジネスコンテスト「HOPE」を開催することもあわせて発表した。事業領域にとらわれることなく、幅広い顧客課題に向き合い、新たな解決策を提案するよう求めている。テーマは、同社の企業理念「病気と苦痛に対する人間の闘いのために」に沿ったビジネスプランであれば何でもいいという。コンテストは2022年6 月、最終選考会を実施する予定で、採択されたビジネスプランは事業化を目指し、検討を重ねていく。