薬食審 12月11日に第一部会 がん悪液質用薬エドルミズを再度審議、19年8月以来
公開日時 2020/11/30 04:50
厚生労働省は11月27日、新薬の承認可否の審議などを行う薬食審医薬品第一部会を12月11日にウェブ会議で開催し、がん悪液質治療薬エドルミズ錠(一般名:アナモレリン、申請企業:小野薬品)を再度審議すると発表した。同剤は2019年8月の同部会で審議されたが、有効性、安全性、医療機関や患者への情報提供の在り方など多岐にわたる疑義が示され、継続審議扱いとなっていた。同省担当官によると、「前回審議した際の宿題事項の全てに回答する準備ができたということで、審議することになった」と説明した。承認されれば世界初の治療薬となる。
次の第一部会は12月2日に開催する予定だが、審議予定品目は9品目ある
(記事はこちら)。一方で、エドルミズは前回審議した際、1時間以上の時間を要した。このため今回はエドルミズだけ審議する日を設けることにした。
エドルミズの予定適応症のがん悪液質は、がんに伴う体重減少や食欲不振、筋肉量の減少を特徴とする複合的な代謝異常のこと。がん化学療法への忍容性の低下やQOLの著しい低下が生じ、予後に影響する。
ただ、前回審議された際、がん悪液質治療薬が世界のどの国・地域でも承認されていないこともあり、例えば、▽どのような指標で有効性評価をすべきか▽各種がん治療薬との相互作用など安全性の確認は十分なのか――といった有用性に関する指摘のほか、▽どのような病状やがん腫のがん患者に投与すべき治療薬なのか▽その対象患者像を踏まえた医療機関への情報提供内容はどうあるべきか――など対象患者や情報提供のあり方でも疑義が出た。当時、承認して差し支えない委員に挙手を求めたところ、ひとりも手を挙げず、承認することに賛成した委員はいなかった
(記事はこちら)。
同省担当官によると、今回の部会では追加試験成績をもとにした審議はなく、「宿題事項に対する回答」について審議されるとの見通しを示した。