AZ AI型チャットボットでの情報提供サービス開始 医療者、患者それぞれに対応
公開日時 2020/02/12 04:50
アストラゼネカは、AI型チャットボットを用いた情報提供サービスの本格運用を始めた。医療従事者向けと患者向けを用意した。医療従事者向けでは、コールセンターによく質問が寄せられる同社製品について、チャットボットが会話形式で回答するというもので、MRへの伝達も受け付ける。患者向けは、喘息・COPD治療薬シムビコートの使用方法を動画で紹介するサービスから開始した。今後、他のデバイス製品に拡大する予定。
医療従事者向けAIチャットボットは「アズトリート」と呼称し、同社の医療関係者向けサイトにログインして利用する。まず、▽製品FAQ▽使用期限確認▽現行品確認▽資材請求▽MRへの連絡――の5つの選択肢から聞きたいことに近い項目をクリックし、その後も選択肢をクリックしていくなどして質問を絞込み、AIが回答する。
同社広報部によると、薬剤師の利用が多い。使用期限が知りたい、新しいパッケージデザインかどうかを知りたい(現行品確認)といったニーズに応えているほか、疾患領域や資材番号による資材請求の利用も少なくないようだ。
患者向けAIチャットボットは「アズポート」と呼ぶ。試験運用を19年10月に開始、シムビコートの使用方法について、アズポートによって既に約1000件の問い合わせに対応したという。
AZでは、24時間365日コールセンターにて同社製品に関する問い合わせを受けており、年間約3万件に対応している。しかし、スマートフォンやタブレット端末の普及により、様々な情報がインターネット上で簡単に入手できるようになったため、近年は、患者自身で情報を検索することが増えている。添付文書やインタビューフォームも電子化されるようになり、医療従事者においても患者と同様、ネットから最新情報を入手する流れとなっている。
このような情報チャネルの変化に対応し、ニーズにあった情報をより迅速かつ分かりやすく提供できる新たなツールとして、AI型チャットボットのサービスを始めた。