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小野薬品 がん悪液質用薬アナモレリンを国内申請 承認されれば初の治療薬に

公開日時 2018/11/28 03:51

小野薬品は11月27日、「がん悪液質における体重減少及び食欲不振の改善」を予定適応とするアナモレリン塩酸塩(一般名、開発コード:ONO-7643)を日本で同日に承認申請したと発表した。がん悪液質は、がんに伴う体重減少や食欲不振を特徴とする複合的な代謝異常症候群。患者の予後などに大きな不利益を与え得ることはわかっているが、有効な治療手段は確立していない。アナモレリンが承認されれば、がん悪液質に対する初の治療薬となる。

アナモレリンは選択的かつ新規の経口グレリン様作用薬。グレリンは主に胃から分泌される内在性ペプチドで、グレリンがその受容体に結合すると体重、筋肉量、食欲、代謝を調節する複数の経路を刺激する。アナモレリンの臨床試験では、がん悪液質の患者における体重および筋肉量の増加、食欲の増加効果が確認された。

今回の申請は、主に国内で実施した2つの試験結果に基づく。ひとつは、非小細胞肺がん患者174人を対象にプラセボを対照とした多施設共同二重盲検無作為化並行群間比較フェーズ2試験(ONO-7643-04試験)で、もうひとつは大腸がん、胃がん、すい臓がん患者計49人対象とした多施設共同非盲検非対照フェーズ3試験(ONO-7643-05試験)――となる。

P2試験では、主要評価項目の除脂肪体重(筋肉量)の平均変化量は、アナモレリン群が1.38kg、プラセボ群が-0.17kgで、両群の差は1.56 kgであり、アナモレリン群において有意な増加が確認され(P<0.0001)、主要評価項目を達成した。体重、食欲、栄養状態のマーカー(プレアルブミン)の増加も認められたという。P3試験では、主要評価項目の除脂肪体重(筋肉量)の奏効率は事前に規定した閾値を上回り、主要評価項目を達成した。安全性に問題はなかったという。

小野薬品は、申請時の予定適応を、がん腫を限定せずに、「がん悪液質における体重減少及び食欲不振の改善」とした。承認事項で、がん腫を限定することになるのかどうか、これからの審査当局の判断になる。

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