EMA 米FDAと希少疾病薬開発で新たな検討会設置 協力強化
公開日時 2016/10/07 03:50
欧州医薬品庁(EMA)と米食品医薬品局(FDA)は、希少疾病薬開発促進・迅速化、臨床試験の効率化などを目的に新たな検討会を設置し、協力関係を強化する。EMAが9月26日発表した。
臨床試験で有効性・安全性を検討するためには、一定の患者数が必要だ。しかし、希少疾患の患者数は欧州で3000万人程度と推計されており、患者数の少なさが臨床試験の実施の課題でもある。そのため、国際協力を通じ、症例数を確保し、臨床試験の効率的な実施を行うことは重要になっている。EMAとFDAは、この面での情報交換の必要性を強く認識していた。
EMAとFDAは、新設の検討会では希少疾病薬の開発や科学的評価などの観点から意見交換を行う考え。具体的なテーマとしては、▽小集団臨床試験の設計および統計解析法の活用、▽試験エンドポイントの選択とバリデーション、▽開発プログラムを裏付ける前臨床のエビデンス、▽EMAの条件付き販売承認やFDAの迅速承認のような早期アクセス制度の観点からの市販後試験の設計、▽長期安全性確保に対するリスク管理戦略―など。非公開の原案、検討中の政策、医薬品開発の意思決定の基礎を支える情報などについても討議も行う。
すでに第1回の検討会は、9月23日にテレビ会議で実施され、今後も月1回を目途に検討会を開催する予定。
なお、両機関はすでに、希少疾病薬指定や開発を促進するための仕組みについて情報共有や協力を推進する検討会は設けており、この検討会も従来通り継続される。
EMAとFDAは、希少疾病薬の分野のほかに、患者の臨床試験への関与、バイオシミラー、抗がん剤、小児薬、ファーマ子ビジランスなどの分野でも検討会を設けている。