【World Topics】子どもの糖尿病
公開日時 2015/05/22 03:50
糖尿病の一般的なイメージはいわゆる2型糖尿病で、 肥満や運動不足などの生活習慣に起因する疾患と考えられがちだ。(医療ジャーナリスト 西村由美子)
一方、子どもの糖尿病はそのほとんどが 1型糖尿病だ。1型糖尿病は 免疫不全の一種と考えられており、発症原因は十分に解明されていないが、患者の生活習慣等とは直接関係なく発症することは明らか。治療には一生インスリン投与を必要とする深刻な病気である。
米国CDCの推定によれば、米国若齢者(20歳未満)の糖尿病発症率は 1万人中22人程度であるが、このうち19人強が1型糖尿病で、 2型糖尿病の発症率は3人に満たない。
子どもの1型糖尿病の原因について、スウェーデンの研究グループが発表した研究報告が注目されている。
”Experience of a serious life event increases the risk for childhood type 1 diabetes: the ABIS population-based prospective
cohort study”
http://www.diabetologia-journal.org
研究は1型糖尿病とストレスの相関を明らかにしようとしたもので、2歳時点で健康であった子ども1万500人を14歳まで追跡調査したデータを解析した。研究対象となった子どものうち58人が観察期間中に1型糖尿病を発症したが、家族の死亡、両親の離婚や深刻な不仲、同居の家族構成の大きな変化などの激しいストレスにさらされた子どもの1型糖尿病発症リスクは、そうでない子どもに比べ3倍高くなることがわかったという。
http://www.sciencedaily.com/releases/2015/04/150409182947.htm