旭化成 骨粗しょう症薬テリボン 15年度に病院市場に本格参入
公開日時 2015/05/13 03:50
旭化成は5月12日、2015年3月期(14年度)決算を発表し、医薬事業は売上806億円、前期比8.4%の減収だった。薬価改定の影響に加え、骨粗しょう症治療に用いる副甲状腺ホルモン(PTH)製剤テリボンや血液凝固阻止薬リコモジュリンに14年4月の消費税増税前の駆け込み需要(仮需)があったことで、14年度は主要製品の全てで減収となったことが業績に響いた。ただ、旭化成ファーマの堀一良社長は同日の決算会見で、仮需による販売量を補正するとテリボンは伸長し、リコモジュリンはほぼ横ばいで推移していると説明した。
15年度は、前立腺肥大症に伴う排尿障害改善薬フリバスにジェネリックが登場する見込みだが、テリボンとリコモジュリンの新薬2製品で計40~50億円増収させて、医薬事業全体での増収を目指す。ただ、研究開発費の増加などで減益の見込みとなる。医薬事業の15年度計画数値は開示していない。
堀社長によると、15年度もMR約700人体制で活動する。1週間に1回の皮下注射で使うテリボンはこれまで開業医市場を中心に展開してきたが、15年度は競合薬フォルテオ(1日1回皮下注)が存在感を示す病院市場にも情報提供先を広げ、売上増をねらう。
リコモジュリンは共同販促企業のファイザーとともにマーケティングを強化したところ、同剤の対象であるDIC(汎用性血管内血液凝固症)患者が、これまで情報提供活動してきた血液内科やICUだけでなく、消化器外科や呼吸器内科など「ありとあらゆる診療科におられる」(堀社長)ことがわかったという。14年度から多岐にわたる診療科に情報提供してきたが、15年度は実際の処方にまでつながるよう取り組み、売上増を目指す。
【14年度の主要製品売上(前年同期実績) 15年度予想、億円】
テリボン 254(269)非開示
フリバス 132(142)非開示
リコモジュリン 117(126)非開示
エルシトニン 61(79)非開示
ブレディニン 56(63)非開示