薬食審・第二部会 アバスチンの卵巣がん適応追加承認へ
公開日時 2013/10/21 03:51
厚労省の薬食審医薬品第二部会は10月18日、中外製薬の抗がん剤アバスチン(一般名:ベバシズマブ)の適応に卵巣がんを追加することについて、医薬品医療機器総合機構(PMDA)が承認して差し支えないと判断した、と報告を受けた。この日、同様の判断の報告があったファイザーのファルモルビシン(エピルビシン塩酸塩)の肝がんに対する肝動脈化学塞栓療法の用法・用量追加(公知申請扱い)を含め、通常なら来月にも承認となる見込み。
部会で取り上げられた2剤は次のとおり(カッコ内は一般名と会社名)。
▽アバスチン点滴静注用100mg/4mL、同400mg/16mL(ベバシズマブ、中外製薬):「卵巣がん」の効能・効果を追加する新効能医薬品。再審査期間は残余(平成27年4月17日)。同適応では海外110の国、地域で承認されている。
この適応追加については、同省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で開発が必要と判断され、同省から開発要請されていたもの。
▽ファルモルビシン注射用10mg、同50mg(エピルビシン塩酸塩、ファイザー):肝がんに対する肝動脈化学塞栓療法(TACE)の場合の用法・用量を追加する新用量医薬品。再審査期間なし。
海外ではTACEの用法・用量を承認している例はないが、同省によると、国内外の治療ガイドラインに記載があり、広く行われている使用法だとして公知申請扱いとなった。
これら2剤は、議題としては「報告事項」扱いで、効能などの追加により承認内容が大幅に変更されるものではないとして、PMDAの承認審査段階で承認可能との判断について部会では審議されず報告のみとなり、そのまま正式承認の手続きに入ることになる。
3つの未承認適応の追加 公知申請を了承
部会では、厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で公知申請が認められた未承認適応の追加について公知申請を了承した(カッコ内は一般名、会社名)。特例により保険適用となった。
▽バンコマイシン点滴静注用0.5g(注射用バンコマイシン塩酸塩、塩野義製薬)
予定適応「バンコマイシンに感性のメチシリン耐性コアグラーゼ陰性ブドウ球菌塩酸(MRCNS)を適応菌種とした敗血症などの効能・効果及びMRSAまたはMRCNSの感染が疑われる発熱性好中球減少症の効能・効果の追加」
▽ヘプタバックス-II(組換え沈降B 型肝炎ワクチン酵母由来、MSD)、ビームゲン(同、化血研)
予定適応「B型肝炎ウイルス母子感染の予防(抗HBs人免疫グロブリンとの併用)投与時期における用法・用量の変更」
▽ヘブスブリン筋注用200単位、同1000単位(乾燥抗HBs人免疫グロブリン、ベネシス)、乾燥HBグロブリン筋注用200単位「ニチヤク」、同1000単位「ニチヤク」(同、日本製薬)
抗HBs人免疫グロブリン筋注200単位/1mL「日赤」、同1000単位/5mL「日赤」(抗HBs人免疫グロブリン、日本赤十字)、ヘパトセーラ筋注200単位/mL(1mL)/ヘパトセーラ筋注200単位/mL(5mL)(同、化血研)
予定適応「新生児のB型肝炎予防(原則として沈降B型肝炎ワクチンとの併用)の初回投与における用法・用量の追加」