オンデキサの周術期投与で改めて注意喚起 PMDA
公開日時 2024/01/15 04:50
医薬品医療機器総合機構(PMDA)は1月12日、日本心臓血管麻酔学会が2023年9月にまとめたオンデキサ静注用200mg(一般名:アンデキサネット アルファ)の周術期投与に関する注意喚起について、PMDAホームページなどを通じて改めて周知した。オンデキサは初の直接作用型第Xa因子阻害薬の中和剤。製造販売元のアストラゼネカも23年12月に適正使用のお願いを発出している。
オンデキサについては、海外において緊急手術前に本剤が使用され手術中のヘパリン抵抗性を示した症例が報告されていたことを受け、承認時より、電子添文のその他の注意において当該事項を記載し、注意喚起している。
国内の市販後でも、周術期に本剤を使用し手術中のヘパリン抵抗性を示した症例が報告され、その一部には人工心肺回路が閉塞し対応に難渋した症例も認められた。このため日本心臓血管麻酔学会は23年9月27日付で、このヘパリン抵抗性を示した症例の集積を踏まえた注意喚起を発出した。この中で学会として、
▽直接作用型第Xa因子阻害剤投与中の患者が緊急的に心臓血管外科手術を必要とする場合、アンデキサネット アルファを人工心肺前または人工心肺中に予防的に投与することはそのメリット(出血の軽減)と危険(ヘパリン抵抗性、血栓症)を十分に評価した上で判断することを推奨する。
▽人工心肺離脱後の投与についても人工心肺離脱後に再度人工心肺の導入が必要となる可能性が低いことを確認し、ヘパリンの拮抗を行ってもどうしても止血が困難な場合にのみ投与を考慮することを推奨する。
▽その際は外科的出血や低フィブリノゲン血症、ヘパリンの残存など出血を増悪させる要因がないことを確認した上で投与することが望ましい。
との見解を表明。そして現時点では、心臓血管外科手術などのヘパリンによる抗凝固を必要とする手術・処置においてオンデキサを投与した場合、ヘパリン抵抗性を生じ患者の不利益となる可能性があることを施設内の心臓血管外科、循環器内科、救急科などの関連診療科と、体外循環技士や薬剤師などと情報共有し、「各施設での慎重な対応を検討することを推奨する」としている。