日医工 抗アレルギー薬アレグラのGE 先発企業サノフィの許諾受け6月発売へ
公開日時 2013/04/23 05:01
日医工と、日医工とサノフィの合弁会社「日医工サノフィ」は4月22日、日医工サノフィが製造販売承認を取得した抗アレルギー薬アレグラ(一般名・フェキソフェナジン塩酸塩)のジェネリックを日医工が独占販売することで、サノフィと16日に合意したと発表した。製品名はフェキソフェナジン塩酸塩30mg「SANIK」と同60mgで、日医工は6月に発売を予定している。同剤は、先発品アレグラを販売するサノフィから特許権などの許諾を受けた国内初のオーソライズドジェネリック(AG)となる。
フェキソフェナジン塩酸塩「SANIK」の場合、フル効能で発売可能なだけでなく、原薬、添加物、製法まで先発品と同一であることが最大の特徴。
AGは一般的に、先発企業が小会社などに販売権を与えて他のGEメーカーより先行して販売させることで、先発企業の利益を守るために用いられる。サノフィは本誌取材に、AGを認めた理由やねらいについて、「市場動向や、アレグラの製品価値最大化のために、いろいろ鑑みた結果」とコメントした。
サノフィは12年10月、アレグラGEの承認を同年8月に取得したエルメッドエーザイ、小林化工、大正薬品工業の3社に対し、特許侵害訴訟を東京地裁に提起した(エルメッドエーザイと小林化工は発売中)。用途特許が侵害されているというもので、サノフィは、「アレルギー性鼻炎」と「じんましん」は14年3月まで、「皮膚疾患に伴う掻痒」は15年9月まで有効と主張している。しかし、サノフィから特許権の許諾を受けたフェキソフェナジン塩酸塩「SANIK」は発売当初からフル効能で使用できる。
日医工は本誌取材に、「フェキソフェナジン塩酸塩「SANIK」は特許侵害訴訟を起こされるリスクがなく、市場から消えるということはない。安心して使っていただける」とコメントし、発売後の訴求ポイントのひとつと説明した。また、原薬なども先発品と「同一」であることも明らかにした。