GERD症状と労働生産性の低下に関連あり 1週間あたり平均9.50時間を損失 AZ
公開日時 2012/12/18 04:01
アストラゼネカはこのほど、胃食道逆流症(GERD)症状が労働生産性にどのような影響を与えるかを調査したところ、週1回以上のGERD症状と労働生産性の低下が関連していることがわかったと発表した。労働生産性の損失時間は1週間あたり平均9.50時間で、標準偏差はプラスマイナス12.7時間だった。1週間の労働時間は平均40時間とされており、その約25%が損失していることになる。
同調査は慶應義塾大医学部内科学(消化器)の鈴木秀和准教授と共同で実施したもの。鈴木准教授は、「今回の調査を通じて、週に1回のGERD症状の発現でも労働生産性の低下に大きく影響していることがわかった」とコメント。週あたり平均9.50時間の損失についても、「時給換算すると約1万7000円との試算結果になる」と分析している。
調査はインターネットで実施し、就労者であり薬物治療を受けているGERD患者386人、就労者であり未治療であるものの問診票にてGERDと判定された患者343人による計711人を解析対象とした。調査期間は10月4日~10日。
逆流性食道炎は、酸性度の強い塩酸(=胃酸)を含む胃の内容物が食道に逆流することで、食道の粘膜に炎症が起きた状態のこと。内視鏡で見て炎症が見つかる場合は「逆流性食道炎」、炎症が見つからなくて症状を起こす場合は「非びらん性胃食道逆流症」と診断されるが、これらをまとめてGERDと呼んでいる。症状は胸やけや、呑酸(のどの辺りや口の中が酸っぱい、胃の中身が逆流する感じ)が典型的だが、お腹の張り、のどの違和感、胃もたれ、頻繁にげっぷが出る――など様々な症状を感じることがある。