FDA 結腸直腸がん治療薬Stivargaを承認
公開日時 2012/10/02 04:00
米食品医薬品局(FDA)は9月27日、ドイツ・バイエルの米法人BayerHealthcare Pharmaceuticals(本社:ニュージャージー州ウェイン)の分子標的抗がん剤Stivarga(一般名:レゴラフェニブ)を治療後に病勢進行した転移性結腸直腸がんの適応で承認した。
Stivargaは、経口マルチキナーゼ阻害剤で、FDAの優先審査に指定され、PDUFA(処方せん薬ユーザーフィー法)の審査終了目標日の2012年10月27日よりも1カ月早く承認された。
Stivargaの安全性・有効性は、前治療歴のある転移結腸直腸がん患者760例を登録した臨床第3相試験「CORRECT」で検証された。ベストサポーティブケア(=BSC)に加え、Stivarga併用群もしくはプラセボ群に割り付けた。
全生存期間(中央値)がプラセボ群では5カ月だったのに対し、Stivarga併用群では6.4カ月と有意に延長した。また、無増悪生存期間(PFS)は、プラセボ群の1.7カ月に対し、Stivarga群では2カ月で、有意に延長された。
FDA医薬品評価研究センター(CDER)のRichard Pazdur血液・腫瘍製品部長は、「Stivargaは、患者の生命を延長させることを示した最新の直腸結腸がん治療薬だ」と同剤の登場を歓迎した。
臨床試験中に重篤および致命的な肝毒性の症例が発生したため、枠組み警告で医師、患者に警告を呼びかけた。一般的な副作用は、疲労感、食慾不振、手足症候群、高血圧、下痢、体重減少、感染症など。
バイエルヘルスケアは同日、Stivargaの承認を発表。Jorg Reinhaldt CEOは、同剤の承認はバイエルにとっての重要なマイルストーンとした上で、「将来の成長に大きく貢献する腫瘍領域における我々の製品ポートフォリオを拡大しているところだ」とコメントした。
米疾病管理予防センター(CDC)によると、結腸直腸がんは米国では男女ともに罹患数、がんによる死亡原因ともに3番目に多いがん。国立衛生研究所(NIH)は2012年には、14万3460人が直腸結腸がんと診断され、5万1690人が死亡すると予測している。