ファイザー・松森EP事業部門長 薬局薬剤師へのMR活動はもっと必要に
公開日時 2012/08/27 04:02
米ファイザーのアルバート・ブーラ エスタブリッシュ医薬品事業(EP)部門プレジデント(写真右)と同社日本法人の松森浩士・EP事業部門長は8月24日、本誌と会見した。23日に発表したマイラン製薬とのGE事業提携で、日本法人EP部門の約1000人に上るMR体制は、今後さらなるコスト競争が迫られる長期収載品・GE市場の中で負担になるおそれがある。一般名処方が普及する中で処方医へのアプローチの必要性を問う声も出ている。それに対し松森氏は、現在のMR数は必要性があり「適正」とした上で、情報提供活動を処方医重視から、GE等の薬剤選択をする薬剤師へシフトする必要があるとの認識を示した。併せて人手をかけないウェブなどのチャネルを組み合わせる「マルチチャネル」のプロモーションを強化していく姿勢も見せた。
長期収載品・GE事業でのMR活動についてブーラ氏は、「日本の場合、フェイストゥーフェイスで医師にお会いすることはとても大事だと思われている」と必要性を指摘。その人員規模について松森氏は、現在はノルバスク、リピトールなど大型長期収載品を持ち、全国の医療機関、調剤薬局をカバーするには現在の規模が必要との認識を示した。その上で、「(将来にわたって)1000人が必要かというと、長期収載品のラインナップ、(MRの)ディテールの必要性などからライトサイズ(適正な規模)を模索することになると思う」と述べ、規模は常に検討すべき課題だとした。仮にMR数の縮小が必要になった場合でも今後の新薬のプロモーションにシフトさせるなど、同社の事業部間の中長期的なリソースバランスは常に考えているとした。
ブーラ氏 長期品の薬価引き下げ論議に懸念
長期収載品を主力にGEも扱う日本のEP事業だが、中医協では長期収載品の薬価引き下げが検討されている。それに対しブーラ氏は、「価格に対する圧力は(長期収載品とGEを扱う)ハイブリッド・セリング・モデルに影響はあると思う」との懸念を示した。ただ、「当局の意向にめげずに自分たちのモデルを続けていかなければならない」と述べた。